環境省は3月22日、全形を保持した象牙の国内取引を7月から原則禁止すると発表した。環境省はこれまで、全形を保持した象牙の取引に対しては事前に環境省の指定機関「自然環境研究センター」への登録を義務化する登録審査制度を実施してきたが、象牙取引を合法化している日本の政策が国際的な批判に耐えられないと判断した。
今回の発表では、環境省は7月1日(予定)から、「登録を希望する全形牙の審査は、1990年の規制適用日以前に適法に所有したという自己申告の裏付け証明については、「第三者の証言」のみでは登録を認めず、「第三者の証言」及び「第三者の証言を裏付ける補強(全形牙の放射性炭素年代測定法による年代測定結果等の客観的に証明できる書類)」を求める」と言及した。原田義昭環境相は同日、「出所不明の象牙をシャットアウトすることで、国内市場は事実上の閉鎖に近づいていく」と発言した。
環境省は、2017年8月31日からスタートした「象牙在庫把握キャンペーン」の結果、2019年3月1日までに3,407本の象牙在庫が登録されていたが、未登録(売買目的としていないものも含む)の在庫も1,666件あったことがわかった。
5月24日から実施される野生動物の取引に関するワシントン条約(CITES)締約国会議では、アフリカゾウの商業輸出入を全面禁止することの審議が行われる。環境省は、その判断を待たずして、全形牙国内取引の原則禁止に踏み切った。
【参考】【日本】環境省、全形を保持した象牙商品の在庫把握キャンペーンを開始。所有者に登録呼びかけ(2017年9月11日)
【参考】【日本】改正種の保存法が施行。象牙等国際希少野生動植物種の取扱規制強化(2018年6月9日)
【参考】【国際】アフリカ9ヶ国、アフリカゾウ象牙の商業輸出入全面禁止をワシントン条約締約国会議で起案(2019年2月9日)
【参照ページ】全形を保持した象牙の登録審査方法の厳格化について -全形牙国内取引の原則禁止へ-
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