金融世界大手米シティグループは4月24日、2018年の気候変動対応や環境分野へのファイナンス総額が384億米ドル(約4.3億円)に達し、2014年に設定した10年間で累計1,000億米ドル(約11兆円)の目標を前倒しで達成できるペースだと明らかにした。2018年までの5年間の累計が953億米ドル(約10兆円)となった。
ファイナンスの内訳は、再生可能エネルギーへの投融資が圧倒的に多く613億米ドル(約68兆円)。また、水、交通、エネルギーインフラに係る国債や地方債発行の主幹事または引受が185億米ドル(約21兆円)、グリーンボンド及びサステナビリティ分野の環境分野資金使途分の主幹事または引受が160億米ドル(約18兆円)、水質及び水系保護の分野へ引受が111億米ドル(約12兆円)、グリーン輸送分野への投融資が67億米ドル(約7,500億円)、グリーンビルディング分野が41億米ドル(約4,600億円)。地域別では、北米543億米ドル、欧州304億米ドルでこの2地域で大半を占める。
シティグループは、ファイナンス事業からのインパクト測定データも公表。二酸化炭素排出量削減、再生可能エネルギーの設備容量、雇用創出、水質保護の恩恵を受ける人口、低所得者向け住宅ファイナンスで恩恵を受ける人口、グリーン輸送プロジェクトによる延べ旅客人数で測定した。
同社は、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)ガイドラインに基づく気候変動リスク分析結果も発表。2℃目標達成シナリオでは炭素価格が2030年に68米ドル、2040年に111米ドル。1.5℃シナリオでは2030年までに117米ドル、2040年までに190米ドルになると想定。結果、2℃シナリオでは化石燃料に依存する電力会社は信用格付が最大3ノッチ引下げになり、1.5℃シナリオではさらにオフショア資源開発やシェールガス・シェールオイル開発の信用格付は最大2ノッチ引下げになると見立てた。また、物理的リスクの影響でも電力会社は1ノッチ引下げになるとした。それらの事業に対するファイナンス・エクスポージャーも分析した。
それ以外にも同社は、低所得者向け住宅ファイナンスに60億米ドル提供。40万人の若者のキャリア育成に合計4,900万米ドル(約55億円)投じ、マイノリティ金融労働団体の加入者に対してはATM手数料を無料にするサービスを展開し44万人が恩恵。人権ポリシーを2018年に改定・強化するなどした。
【参照ページ】Citi Releases 2018 Global Citizenship Report
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