英環境庁は5月9日、今後世界の気温上昇が4℃上昇することを想定した洪水・沿岸侵食対策に関する2050年までの長期戦略案を公表した。8週間パブリックコメントを受け付ける。環境庁は、環境・食糧・農村地域省の外局で、イングランドとウェールズ地域の環境問題を所管する。今回の対策案には、伝統的な防波堤、一時的なバリア、天然洪水マネジメント、持続可能な排水システム、有効な洪水警報と緊急対応、既存及び新設不動産の災害適応設計等が含まれる。
同庁によると、イングランドの重要インフラの3分の2は、洪水リスクの高い地域に高く、電力・交通機関・通信に関しては洪水リスクが16倍高い。今回の長期戦略では、2050年までに全インフラの洪水対策を完了させる方針。試算では、毎年10億ポンド(約1,400億円)の予算が必要となるが、1ポンドの投資で災害による損害を9ポンド分も防ぐことができる。
また、同戦略では、不動産オーナーに対しても、洪水被害から早急に復旧するための設備改善投資も求めている。2025年までの洪水影響を見定めるため、政府、保険会社、金融機関等と連携する。
イングランドでは500万人以上が洪水被害のリスクにあるが、150万人しかリスクがあることを自覚していない。さらに今後人口増加する際には、洪水リスクの高い地域に住む傾向にあるため、2030年までに大きな対策を要すると喫緊度も伝えた。
【参照ページ】Environment Agency Chair calls for new approach to flood and coastal resilience
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