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【日本】環境省、分別回収した廃プラのごみ焼却を市町村に要請。中国等の輸入禁止措置受けキャパオーバー

 環境省は5月20日、中国や東南アジア諸国がプラスチック廃棄物の輸入を禁止したことで、日本国内でプラスチック廃棄物が処理できず滞留してしまっている問題を受け、今後の対応方針を発表した。市町村に対し、プラスチック廃棄物の単純焼却を受け入れるよう要請した。ごみ発電所ではなく、通常の焼却場で焼却をすることで、日本はプラスチック廃棄物のリサイクルから大きく後退する。プラスチック廃棄物のケミカルリサイクルやマテリアルリサイクルを企業が追求してこなかったツケが、回ってきた。

 環境省は現状の把握のため、2018年末から都道府県・政令指定都市及び廃棄物処理業者に対し、アンケート調査を行ってきた。地方自治体では、122自治体全てが回答し、プラスチック廃棄物の保管上限を超過してしまっている基準違反が15自治体出ていた。保管量が増加したと回答したのも24自治体。把握できていない自治体も15自治体あり、処理状況は逼迫してきている。

 日本ではプラスチック廃棄物の多くを、ごみ発電所でエネルギー燃料としたり、製鉄所での還元剤として活用しつつ、一部を輸出に回すことで処理してきた。しかし、輸出ができなくなったことで、処理できなくなった。今回環境省が要請した通常の焼却施設での焼却は、一部は温水プール等での熱源として利活用されるが、基本は燃やすだけで、リサイクルにはならない。環境省としては苦渋の選択となる。

 抜本的対策としては、環境省は「プラスチック資源循環戦略」を6月までに策定予定。リサイクル施設の整備を進める考えだが、企業が積極的に動かなければ絵に描いた餅になる。また、プラスチック廃棄物を排出している事業者に対しても削減を依頼する。

 日本の廃プラスチック・リサイクルでは、エネルギー回収重視で、マテリアルリサイクルやケミカルリサイクルを軽視しており、大きな問題が指摘されている。今回エネルギー回収もできなくなれば、大きな後退となる。市民は、プラスチック廃棄物の分別回収を頑張っているが、結局、ごみ焼却するのであれば、分別する意味がなくなってしまう。

【参照ページ】外国政府による廃棄物の輸入規制等に係る影響等に関する調査結果について

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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