欧米主要機関投資家18機関が参加する低炭素経済推進イニシアチブ「Transition Pathway Initiative(TPI)」は7月10日、二酸化炭素排出量の多い世界274社の動向を分析したレポートを発表した。そのうち46%は、気候変動を事業意思決定の中に適切に反映できておらず、25%は二酸化炭素排出量の報告を一切していないと警告した。調査は、英ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)のグランサム研究所が担当した。
同イニシアチブは2017年1月発足。英国環境保護庁年金基金と英国国教会National Investing Bodiesが主導し、多くの機関投資家が参加。現在の運用資産総額は14兆米ドル(約1,500兆円)。グランサム研究所がバックアップしている。TPIは、2018年にも類似の調査を実施している。
【参考】【国際】欧米機関投資家イニシアチブTPI、石炭、石油・ガス、電力105社の気候変動対応分析(2018年7月10日)
二酸化炭素排出量の報告をしていない企業には、特に原油ガス企業に多い。電力やアルミニウム企業も比較的報告率が低かった。また、2年連続調査対象となり報告もしている企業130社のうち、事業意思決定の反映具合に向上がみられたのはわずか35社だった。シナリオ分析の実施率は14%、内部炭素価格制度の導入率は16%だった。
二酸化炭素排出量の削減目標設定では、2℃未満が20社、2℃が6社。2℃未満とした優良企業としては、E.ON、イベルドローラ、ストラ・エンソ、エジソン・インターナショナルの名前を挙げた。
【参照ページ】New research finds highest-emitting companies off-track to meet Paris climate goals, and puts investors on “emergency footing”
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