香港品質保証局(HKQAA)は9月25日、グリーンファンドを対象としたグリーンファイナンス認証制度を新たに創設したと発表した。HKQAAは2018年にグリーンボンドやグリーン融資を対象とした認証を創設したが、今回、香港証券先物事務監察委員会(SFC)からの要請に答える形で、評価対象をファンドにまで拡張した。
【参考】【香港】香港品質保証局、グリーンファイナンス認証創設。グリーンボンドやグリーン融資対象(2018年1月15日)
背景には、機関投資家でのESG投資需要と、一貫性や透明性や情報開示についての課題感がある。特に環境リスク認識の高い投資家は、透明性の高い情報開示を求める傾向にある。SFCも2019年4月11日、グリーンファンド、EGSファンドに対する情報開示強化を求めたガイダンスを発行。「環境」「グリーン」「サステナブル」「気候」のラベルを貼るファンドに対し、既存のファンド法規則の枠内において求められる対応を整理し、発表していた。
HKQAAは、同スキームの作成にあたり、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)、国連責任投資原則(PRI)、国連持続可能な開発目標(SDGs)、Eurosifの欧州SRI透明性規範等の国際基準を認証基準として参照。「ESG」や「グリーン」というラベルを貼ったファンドに対し、投資方針や投資プロセスの透明性を担保するため、認証制度を創設した。
認証にあたっては、「ファンドの目的」「ファンドのマネジメント」「グリーンアセット評価と選定」「グリーンアセットモニタリング」「情報開示と報告」「エンゲージメントとアクティブオーナーシップ」それぞれの観点について、SDGsとの整合性確認や定量アプローチを実施。投資家はファンド向けの投資判断においても、自身の投資方針との整合性を確認できるようになる。認証の主な要件は以下の3つ。
- 運用会社が採用する投資アプローチは、正味資産価値に関する要件を満たすか、測定可能なポジティブインパクト指標が確率されなければならない
- 環境インシデントが発生した場合の対応や、ファンドの目的に対する投資ポートフォリオの継続的な監視メカニズムを確率しなければならない
- ファンドは、HKQAA環境理論報告書の枠組みに準じて関連情報を開示しなければならない
【参照ページ】HKQAA’s Green Finance Certification Scheme - Green Fund Encourage More Investors from the Fund Market to Support Green Economy
【参照ページ】SFC publishes guidance on enhanced disclosures for green or ESG funds
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