米国の公共衛生学教授によると、米国では鬱病の人々の間で大麻摂取に関するリスク認識が大幅に下がっていることがわかった。現在世界的に大麻合法化の動きが広がりつつあり、特に北米では大麻摂取がたばこのようにカジュアル化しつつある。
【参考】【アメリカ】全米9州の住民投票で大麻が合法化。大麻合法化州が28州に拡大(2016年12月3日)
【参考】【カナダ】上下院、大麻合法化法案を可決。今年10月にはG7初の大麻所持・使用合法化国に(2018年6月24日)
大麻を過去1ヶ月以内に摂取したことがある人は、2005年時点では、鬱病者で10.2%が、それ以外では5.7%だったが、2017年には鬱病者では18.9%にまで約2倍に上昇。非鬱病者でも8.7%にまで上がっていた。鬱病者の間で、大麻摂取にはリスクがあると答えた人は2005年の41%から2017年には17%にまで大幅に減少した。非鬱病者の間でも、52%から33%にまで下がった。大麻を毎日摂取している人も、鬱病者で6.7%、非鬱病者で2.9%いた。
今回の論文を執筆したコロンビア大学のレニー・グッドウィン教授は、12歳以上の728,691人から自己申告で回答を得、論文をAddictionに発表した。大麻摂取については、リスク認識との関連性を示しており、大麻摂取にはリスクがないと認識している人の過去1ヶ月大麻摂取者割合は38.6%と非常に高く、反対に大麻にはリスクがあると認識している人では1.6%だった。
現在大麻を摂取している層では、18歳から25歳までの年齢層が最も高く約30%。その他のプロフィールでは、男性、アフリカ系、未婚者で高かった。
グッドウィン教授は、大麻摂取は鬱に対し一時的には有効だが、それ以降は効くという医学的根拠はなく、反対に鬱を悪化させることを示すデータも出てきていると警鐘を鳴らした。
【参照ページ】Study reveals increased cannabis use in individuals with depression
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