機関投資家の尾鉱ダム安全性イニシアチブ「Mining and Tailings Safety Initiative」は1月24日、尾鉱ダムに関する情報公開ポータルサイトを開設した。尾鉱ダムについては、2019年1月に資源採掘世界大手ブラジルのヴァーレが所有していた「ブルマジーニョ尾鉱ダム」が決壊し、大量の死者を出したことを契機に機関投資家の間でも対策への関心が高まっている。
【参考】【ブラジル】ヴァーレ所有ダム決壊、死者100人超。当局は105億円の罰金や3500億円の資産凍結(2019年2月3日)
Mining and Tailings Safety Initiativeは、英国国教会年金理事会とスウェーデン公的年金基金APの倫理委員会が共同でヘッドを務め、参加している機関投資家の運用資産総計は13.5兆米ドル(約1,460兆円)。今回のポータルサイト「Global Trailings Portal」開設では、国連環境計画(UNEP)も協力した。
現在、同サイトで情報公開されている資源採掘企業は98社。資源採掘サイトは764ヶ所、尾鉱ダムの数は1,939個。情報は、同イニシアチブから質問票を送り、回答をまとめる形で収集した。
【参考】【国際】資源採掘企業の尾鉱ダム1635ヶ所のうち約10%が過去に安全性問題発生。機関投資家調査(2019年11月4日)
開示されている情報は、ダムの場所、所有者、運転開始日、現在の稼働状況、最高水位、今後5年間の尾鉱貯蔵量、設計図の保管、決壊時の被害防止策、今後の異常気象への耐性等。
今回リリースしたウェブサイトは、まだベータ版という位置づけで、今後の充実を図る。また、これまでは上場企業のみを対象としてきたが、今後は国営企業、非上場企業が所有している尾鉱ダムも対象にしていきたい考え。
【参照ページ】Global Tailings Portal
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