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【イギリス】グローバル企業は人権デューデリ法の制定を望んでいる。英国際法・比較法研究所調査

 英国際法・比較法研究所(BIICL)は2月11日、英国での人権デューデリジェンス法導入に向けた検討事項に関する分析報告書を発表した。企業関係者に実施した匿名アンケート結果とともに、弁護士、企業専門家、NGOの3方向からの意見も集め、現状と提言をまとまた。

 今回の企業調査では、2010年の英賄賂防止法の実効性をヒアリング。同法で、腐敗防止を目的としている、腐敗防止をする理由として人権に言及しており、広義では人権侵害を防止するという意味合いがある。企業調査ではグローバル企業25社、国内大手3社、国内中堅3社、国内小規模7社、その他2社が匿名で答えた。

 同法が現在、人権侵害防止義務を明確に示しているかについては30社がそうではないと回答。さらに82%が、人権に関する新たな規制を導入し、人権ルールを明確にすることで法的要件が明確になり、企業にとってメリットがあると回答した。また、対等な競争環境(レベル・プレイング・フィールド)を構築することで企業にメリットがあるとしたのも74%。サプライヤー等の社外に対し人権改善を進めていけるのでメリットがあるとしたのも75%いた。英腐敗防止法がメインターゲットとした腐敗防止については、否定したのは20%に留まり、法規則によりサプライチェーン上の対応を強化することには有効であることが確認された。

 人権デューデリジェンス法導入に関する提言では、インド資源大手ベダンタの英国法人ベダンタ・リソーシズが、ザンビアの子会社の地域住民に対する人権侵害で英国裁判所に提訴された「ベダンタ事件」に多数言及している。同事件では、子会社の人権侵害が、ベダンタ・リソーシズに過失責任があるかを問われ、最高裁判所までもつれこんだ。最終的に英最高裁判所は2019年、サプライヤーや子会社であったとしても、特に人権考慮の責任を企業方針等で宣言している場合は、注意義務が発生するという判決を下した。しかし、この判決は、人権考慮を重視していない企業にとっては逆に注意義務が発生しないのではないかという解釈もでていた。

 同提言では、国連ビジネスと人権に関する指導原則(UNGP)を自主的に導入している企業にとっても、人権デューデリジェンス法が確立されたほうが、子会社やサプライヤーに対し、ルールを徹底できる大きなメリットがあると指摘した。

【参照ページ】New BIICL Report Looks at Preventing Human Rights Harms

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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