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【国際】UNEP、持続可能な資源開発ガバナンスの必要性提唱。再エネ等により資源開発が増加

 国連環境計画(UNEP)の国際資源パネル(IRP)は2月19日、今後の資源開発の増加すると予測される中、政府と企業に対し、環境・社会ガバナンスの強化を求めるレポートを発表した。資源開発は生態系破壊だけでなく、資源価格のボラティリティが上がると、資源開発国の経済や、資源開発に従事する地域の生計に大きな悪影響を及ぼすと警鐘を鳴らした。

 今回のレポートは、21世紀の資源開発ガバナンスのあり方を整理したもの。同レポートの作成は、2016年のIRPステアリング・コミッティでの決議や、2017年の生物多様性条約の科学技術助言補助機関(SBSTTA)での勧告で要請されていたもの。その後、国際会議での議論を重ね、ついに今回発表された。

 資源開発は、過去数十年間、経済成長率より高い成長率を上げてきた。さらに今後の人口増加や、再生可能エネルギーやバッテリー需要の増加により、資源開発は伸び続けるとみられている。資源開発では、採掘からの利益を地域社会や地域経済と共有する努力が重ねられてきたが、今後の資源価格が騰落すると、地域社会へのダメージは大きくなる。また、資源開発による生態系や生物多様性の破壊では、生態系サービスに頼る地域社会の生計にも悪影響を与える。

 IRPは今回、地域固有の取り組みから、グローバルな取り組みまで、資源採掘管理に関する少なくとも80の既存の国際的な文書を分析。その上で、生態系破壊を伴わない資源開発を実現することが重要と重ねて主張。一方、資源開発の現場では、大企業だけでなく、中小零細採掘事業者の存在感も大きいため、「アップストリーム・バリューチェーン」「ダウンストリーム・バリューチェーン」「政策バリューチェーン」の3つを組み合わせた包括的なガバナンス・モデルが必要になると提言した。

 ガバナンスの実現に向けては、「包括的アプローチ」「社会・環境への悪影響を緩和した資源開発」「人権保護」「資源開発国とのエンゲージメント」「責任ある事業慣行」「供給安定と持続可能な開発のバランス」「データ・情報・ナレッジへのアクセス」を上げた。またマルチステークホルダー型のガバナンスを推奨した。

 国家単位での取り組みとしては、資源採掘セクターと影響を受ける他セクターに対し、持続可能な開発に向け、協議、透明性、報告の原則、地域住民の権利を明示的に認めた鉱山法等を明記した戦略的計画を採用すべきだと提言。さらに、資源採掘・鉄鋼セクターの発展を促進、規制するため、「環境政策、法律および規制の制定を担う環境局」「資源採掘および鉄鋼関連の政策策定を担う鉱業局」「取得、保存、管理、モデリング、普及を担う地質調査局」の3部局の創設を促した。

【参照ページ】Call for strengthened governance to improve the social and environmental outcomes of mining
【レポート】Mineral Resource Governance in the 21st Century

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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