決済世界大手米マスターカードは4月28日、新型コロナウイルス・パンデミックによる経済活動の停滞を受け、同社の金融インクルージョン目標を、2025年までに世界10億人及び小規模事業者5,000万社に拡大したと発表した。
発展途上国や先進国の低所得者層では、金融サービスを受けられないでいる人が多い。マスターカードは2015年、国際通貨基金(IMF)と世界銀行グループとの会合の中で、世界5億人を対象にした金融インクルージョン・プログラムを導入すると表明。すでに80ヶ国以上で350以上のプログラムを展開している。今回、金融インクルージョンの目標を10億人にまで拡大した。特に女性起業家に対しては個別に2,500万人という目標を立てた。
同社のプログラムでは、各国でのNGOや企業との連携が基本となっている。米国では、マイクロファイナンス提供のグラミン・アメリカと連携し、女性起業家に対しデジタル・バンキング・サービスを提供。マイクロローンが受けられるようになった。グラミン・アメリカは今日までに13.2万人に合計15億米ドル(約1,600億円)の融資を実施。パンデミックでも即日融資による資金繰り支援ができるようになった。
メキシコでは、コーヒー生産大手ニューマン・カッフェ・グルッペと連携。コーヒー農家に安全なデジタル決済サービスを提供している。ケニアでは、うユニリーバと連携し、Dukaと呼ばれる街角キオスク店舗にデジタル決済サービスを提供。すでに登録店舗は18,000を超えた。信用情報は、ケニア商業銀行(KCB)からマイクロローンを受ける際の与信にも活用されている。
【参考】【国際】マスターカードとサムスン電子、新興国で従量課金型スマホ・レンタル事業開始。インクルージョン(2020年3月14日)
マスターカードは、パンデミックに関する支援でも、3月10日に、米ビル&メリンダ・ゲイツ財団、英医療系公益団体ウェルカム・トラストと協働で医薬品の普及促進を実現するためのプロジェクト「COVID-19 Therapeutics Accelerator」を発足。マスターカードはシードマネーとして2,500万米ドルを拠出した。他にも総額2.5億米ドル相当の支援を発表している。
【参考】【国際】ゲイツ財団、マスターカード等、新型コロナウイルス対抗医薬品の開発促進で130億円拠出(2020年3月12日)
【参考】【国際】マスターカード、新型コロナ対策で中小企業オンライン対応支援。フィンテックサービス無償提供(2020年4月14日)
【参照ページ】Mastercard Builds on COVID-19 Response with Commitment to Connect 1 Billion People, 50 Million Small Businesses, 25 Million Women Entrepreneurs to the Digital Economy by 2025
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