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【国際】過去10年間でアフリカ・南米中心に森林面積が470万ha減少も、減少幅は縮小。FAO報告書

 国連食糧農業機関(FAO)は5月7日、5年毎に発行している森林破壊に関する調査報告書「A Fresh Perspective: Global Forest Resources Assessment 2020」を発表した。森林は2015年以降、土地利用変化に伴い年間1,000万ヘクタールが減少。自然回復や植林分による森林増を含めても470万ヘクタールのネット減少だった。

 地球の地表面の約3分の1は森林に覆われており、森林総面積は40.6億ha。半数以上を占める20.5億haは森林管理計画の下で管理されていることになっている。国連持続可能な開発目標(SDGs)の目標15「陸の豊かさを守ろう」は、陸上生態系の保護、回復を求めており、FAOの森林管理においても、グローバル森林資源評価として、森林面積の割合の傾向と持続可能な森林管理の進捗について、信頼のおけるデータの収集、報告が必要だとした。

 過去30年間の森林減少トレンドでは、1990年から2000年までが780万haの減少、2000年から2010年までが520万haの減少、2010年から2020年までが470万haの減少と、減少幅は小さくなってきている。

 一方、地域別に見ると、状況は大きく異なり、アジアと欧州では純増と森林面積は増加している。一方、アフリカは、過去30年間の3つのスパンで、330万ha減、340万ha減、390万ha減と減少幅が拡大。南米でも、510万ha減、520万ha減、260万ha減というように、大きく減少しつつも、減少幅は小さくなってきている。国別データは今後発表する予定。


(出所)FAO

 今回の調査からは、森林減少の幅が小さくなったことには、世界の森林の管理強化が進んでいるという要因も見えてくる。世界の森林保護区は7.26億haあり、森林全体の18%に該当。1990年以降で1.9億ha増加した。割合が最大の地域は南アフリカで31%。また、長期的な森林管理計画の対象となっている森林は、2000年から2.33億ha増加し、2020年で20.5億haとなった。欧州では96%が長期森林計画の対象となっている一方、南米17%、アフリカ24%と低く、長期管理が重要となっている。

 森林全体のうち30%は、木材および非木材林産物の生産に活用されている。非木材林産物の森林とは、豆、きのこ、果物、ハーブ、香辛料、香木、狩猟用動物飼育用の森林や、木材繊維や樹脂、医薬品、化粧品、文化活動のために使われる森林を指す。また、再生した森林のうち、93%は自然植生。7%が植林だった。

 他方、今回の報告書では扱われていないが、今後は森林火災が拡大することによる森林面積の減少に懸念が広がっている。

【参照ページ】Forest loss slows globally as sustainable management grows

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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