中国の独立シンクタンクCentre for Research on Energy and Clean Air(CREA)は5月18日、新型コロナウイルス・パンデミックからの経済・社会活動再開を受け、大気汚染物質の濃度が前年度を超えたと発表した。2月からのロックダウン時に減少し、3月初めには過去最低レベルとなったが、すぐに悪化してしまった。
ロックダウン時は、中国の化石燃料消費量が減少するとともに、大気汚染物質も大きく減少。PM2.5、窒素化合物の国平均レベルは、2月3日時点で前年度と比べそれぞれ33%、40%減少。二酸化炭素も25%減少したとみられている。今回のリバウンド現象については、CREAは分析の結果、石炭火力発電の再開が要因とみている。
中国では、2002年のSARS(重症急性呼吸器症候群)からの経済復興のため2003年に投資ブームで大気汚染が大きく進行。さらに2008年のリーマン・ショックでは、石炭火力発電、製鉄、セメント生産を経済復興の重要分野と位置づけたことで、2012年から2013年にかけ街中が煙に覆われる深刻な大気汚染を引き起こしたことでも知られている。
CREAは、2017年から2019年にかけ大幅な石炭消費削減計画を行ったことを引き合いに出し、今回の経済復興でも同様の政策を打ちながら経済復興を行わなければ、再び深刻な大気汚染を招くと警鐘を鳴らした。
【参照ページ】China’s air pollution overshoots pre-crisis levels for the first time
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