14ヶ国政府とEUは6月16日、「AIに関するグローバル・パートナーシップ(GPAI)」を設立した。人権、基本的自由、民主主義の価値観に調和した責任ある人間を中心としたAI(人工知能)の開発と利用のため、国際協調を目指す。
設立国は、米国、英国、EU、ドイツ、フランス、イタリア、スロベニア、カナダ、韓国、シンガポール、インド、オーストラリア、ニュージーランド、メキシコ。日本では総務省と経済産業省が担当する。今後、「責任あるAI」「データガバナンス」「仕事の未来」「イノベーションと商業化」の4つのテーマで作業部会を発足し、政府、企業、NGO、アカデミックから委員を選定する。
今回のパートナーシップは、2019年5月に経済協力開発機構(OECD)の閣僚理事会で採択された「AIに関するOECD原則」が基となっている。同原則には、OECD加盟36カ国とアルゼンチン、ブラジル、コロンビア、コスタリカ、ペルー、ルーマニアが署名。
「AIに関するOECD原則」の主な内容
- AIは、包摂的成長と持続可能な発展、暮らし良さを促進することで、人々と地球環境に利益をもたらすものでなければならない
- AIシステムは、法の支配、人権、民主主義の価値、多様性を尊重するように設計され、また公平公正な社会を確保するために適切な対策が取れる-例えば必要に応じて人的介入ができる-ようにすべきである
- AIシステムについて、人々がどのようなときにそれと関わり結果の正当性を批判できるのかを理解できるようにするために、透明性を確保し責任ある情報開示を行うべきである
- AIシステムはその存続期間中は健全で安定した安全な方法で機能させるべきで、起こりうるリスクを常に評価、管理すべきである
- AIシステムの開発、普及、運用に携わる組織及び個人は、上記の原則に則ってその正常化に責任を負うべきである
同パートナーシップは、OECDが事務局を務める。また作業部会開催のために設置するモントリオールとパリにある2つの専門センターが活動を支援。専門センターは年次総会を開催し、第一回会合は12月にカナダが主催する予定。人権、インクルージョン、ダイバーシティ、イノベーション、経済発展等が重要な検討事項となるが、短期的には、新型コロナウィルス感染症対応と経済復興でのAI活用についても検討する。
【参照ページ】AIに関するグローバルパートナーシップが設立されました
【参照ページ】42カ国がOECDの人工知能に関する新原則を採択
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