機関投資家世界大手30社は9月10日、サーキュラーエコノミー推進の英エレン・マッカーサー財団が発表したサーキュラーエコノミーへの投資が近年の大幅に拡大していることをまとめたレポートに賛同すると発表した。機関投資家が、気候変動対策のためにサーキュラーエコノミー化を重要な方向性であり、有望な投資機会と認識していることが明らかとなった。
同レポートに賛同した企業は、ブラックロック、ゴールドマン・サックス、シティグループ、JPモルガン・チェース、モルガン・スタンレー、UBS、クレディ・スイス、欧州投資銀行(EIB)、HSBC、バークレイズ、スタンダードチャータード、リーガル&ゼネラル・インベストメント・マネジメント(LGIM)、ロイズ・バンキング・グループ、ING、Robeco、インテーザ・サンパオロ、ラボバンク、フェデレーテッド・エルメス等。運用資産残高(AUM)は、18兆米ドル(約1,910兆円)。
同レポートでは、金融機関がサーキュラーエコノミーに熱狂してきている様子を統計を用いて示している。サーキュラーエコノミーを対象とする上場企業投資ファンドは、2018年には1本だったが、2019年に6本、2020年上半期に10本と急増。サーキュラーエコノミーに資金を動員する上場企業株式投信の投資規模は、2020年初からのわずか6ヶ月で3億米ドルから20億米ドルへと6倍以上にまで増えた。
社債市場でも、サーキュラーエコノミーを資金使途とする社債の発行は、2018年には0件だったが、2019年に6本、2020年上半期には10本まで増えた。
ベンチャーキャピタル等の非上場企業投資市場はさらに顕著で、サーキュラーエコノミーを対象とするファンドは2016年の3本、2017年の5本から、2018年には14本、2019年には25本、2020年上半期には30本にまで増えた。
気候変動緩和に関しては、これまで再生可能エネルギーへのエネルギー転換に関心が集まっていたが、エレン・マッカーサー財団は、サーキュラーエコノミーをモノの分野での気候変動対策の要と捉えている。そして、同分野への投融資の成長は、気候変動やその他のESG課題に対するサーキュラーエコノミーの役割の理解の高まりの表れだとした。
同機関は2019年9月、鋼・アルミニウム・セメント・プラスチック・食品企業が、サーキュラーエコノミーを採用することで、2050年には年間の二酸化炭素排出量を93億t削減できるするレポートもすでに発表している。
【参照ページ】Leading investment managers and banks back the circular economy
【参照ページ】Financing the circular economy
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