英リシ・スナック財相は11月9日、2021年にグリーンボンド国債を発行する移行を表明した。また同時に、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)ガイドラインに基づく情報開示の義務化、英国証券取引所での上場基準や情報開示ルールの見直し等による気候変動ルールの強化、並びに中央銀行での暗号資産(仮想通貨)活用の議論を主導していく考えを表明した。
英国政府は、すでに2050年までに二酸化炭素ネット排出量ゼロ(カーボンニュートラル)を実現することを法定化しており、今回のグリーンボンド国債の発行は、英国内でのグリーンボンド市場の活性化策とも位置づけた。
【参考】【イギリス】機関投資家30団体1400兆円、政府にグリーンボンド国債発行を提言。グリーンリカバリー推進(2020年10月8日)
TCFDの義務化については、2025年までに「コンプライ・オア・エクスプレイン」型での情報開示ルールを段階的に導入する。同日発表された規制導入ロードマップでは、2021年から運用資産50億ポンド以上の企業年金基金、及び銀行、保険会社、住宅金融組合、ロンドン証券取引所のプレミアム市場上場企業が義務化対象となり、2022年からは運用資産10億ポンド以上の企業年金基金、及び大手運用会社、その他上場企業に拡大。2023年からは中小運用会社等も対象としていく考え。2025年までにはその他企業や金融機関も対象としていくが、どこまでの規模の企業に適用するかは未定。
また財相は今回、英国版タクソノミーを策定していく考えを示した。英国版タクソノミーは、EUタクソノミーを基にしつつ、最終的に英国グリーン技術諮問グループで決定する。またEUが主導するサステナブルファイナンス政策普及の国際ワーキンググループ「サステナブルファイナンスに関する国際プラットフォーム(IPSF)」にも、英政府として参加する意向を示した。
【参考】【EU】欧州委、サステナブルファイナンス政策普及の国際ワーキンググループで中国を共同議長に任命(2020年10月20日)
暗号資産に関しては、ステーブルコインを従来の決済手段と同様の規制枠組みの対象とすることで、中央銀行でのデジタル通貨として活用する考えを表明し、国際的な議論をリードしていくとした。
【参照ページ】Chancellor sets out ambition for future of UK financial services
【参照ページ】UK joint regulator and government TCFD Taskforce: Interim Report and Roadmap
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