デンマーク電力大手オーステッドは11月27日、オランダ・ボルッセレの洋上風力発電所2機について完全稼働すると発表した。同発電所の設備容量は752MW。同国最大で、世界では2番目の規模となる。2機の発電では、同国100万世帯の電力需要を賄うことが出来る。
また同社とドッガーバンク風力発電所は11月24日、同風力発電所2機で発電される電力の市場販売の40%をオーステッドが管理することに合意すると発表した。同合意は、英国の再生可能エネルギープロジェクトで交わされた「ルート ・トゥー・マーケット(RTM)」合意として最大。近日中に最終化される。
ドッガーバンク風力発電所は、スコティッシュ・アンド・サザン・エナジー(SSE)の再生可能エネルギー子会社SSE Renewablesとエクイノールの合弁会社。英国ヨークシャー・コースト沖130kmに設置した設備容量各1.2GWずつの洋上風力発電所ドッガーバンクA、B、Cの3機を有する。今回の合意では、設備総容量2.4GWの2機のうち、960MWについてオーステッドが取引可能になる。同社のリスクは電力小売価格の変動に限定される。
またオーステッドは、韓国・仁川沖70kmで、潜在設備容量1.6GWの洋上風力発電プロジェクトに着手する意思を表明した。韓国の電力会社とのオフテイク契約および最終投資決定がなされた後、2026年以降にプロジェクトが委託される見通し。
同社は2020年初旬、仁川の海岸沖でフローティングライダー4つの導入を完了。潜在設備容量1.6GWの洋上風力発電に関するデータ収集も順調に進捗している。フローティングライダーとは、洋上に浮かべて風況を観測する装置で、安価に導入できる新たなテクノロジー。
同プロジェクトでは、韓国140万世帯への再生可能エネルギーでの電力供給を可能にし、二酸化炭素排出量を400万t削減。2050年二酸化炭素ネット排出量ゼロ(カーボンニュートラル)を宣言し、グリーン・ニューディールを掲げる文大統領の方針にも合致する。
同社は、韓国の地域コミュニティや漁業関係者へのエンゲージメントを開始。プロジェクト推進において声を反映させる。また、欧州及びアジアでの洋上風力プロジェクトで、ポスコ、CS Wind、LS電線、曉星、サカンM&T、現代ESI、EEWコリア等の韓国企業と協働。数兆ウォンの投資と経済活動、正規雇用を創出する。
サカンM&Tと現代ESIは、オーステッドの台湾・彰化沖の900MWの洋上風力発電事業「彰化1号」と「彰化2a号」への投資のためのファンドを組成。同国の再生可能エネルギー転換を推進している。
【参考】【台湾】オーステッド、彰化沖900MWの洋上風力発電に最終投資決定。今後920MWを追加予定(2019年5月5日)
【参照ページ】Ørsted's first Dutch offshore wind farm fully commissioned
【参照ページ】Ørsted signs one of the world's largest route-to-market agreements with Dogger Bank
【参照ページ】Ørsted aims to develop offshore wind projects in South Korea
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