韓国自動車大手現代自動車は12月10日、修正した2025年戦略を発表した。従来の目標でも示していた電気自動車(EV)、自動運転、都市航空交通(UAM)に加え、4つ目の戦略の柱として燃料電池(FC)を追加。4分野を中心に今後60.1兆ウォン(約5.7兆円)を投資し、2025年に世界市場シェア5%、営業利益率8%を目指す。
EVでは、世界市場での電動化をリードする意気込みを見せ、2021年に新型車種「Ioniq 5」を上市。2025年までに12車種を投入し、年間販売台数を56万台にする。さらに2040年までに主要国での全販売車種でEV化し、2040年のEV市場シェア目標を8%から10%とした。2030年頃の注力市場は、欧州、中国、米国に置き、その後、インド、ロシア、ブラジル等の新興国でも投入を拡大するとした。戦略車種は、ハイエンドタイプを目指す。同社は最近、電気自動車専用プラットホーム「E-GMP」を公開しており、同プラットフォームを通じた量産化・コスト削減を展開していく。E-GMPでは1回の充電で500km以上走行できるという。EVバッテリーを蓄電バッテリーとして活用する「Vehicle to Load(V2L)」も戦略として掲げた。
自動運転では、2022年にレベル3の自動運転技術を量産車種に搭載。レベル4とレベル5の自動運転では海外企業との提携も視野に入れる。
UAMでは、まず同社初となる宅配用の無人航空機(UAS)を燃料電池駆動タイプで2026年に上市。2028年には完全電動タイプの都市航空交通(UAM)乗物を都市内移動タイプで投入することを計画している。2030年代には、近距離都市間移動タイプを投入するという。同社は2020年1月に、初のUAMコンセプト「S」を発表し、「静音」「低価格」「乗客中心」「安全」の4つを重要コンセプトとして設定している。
燃料電池では、すでに同社独自の燃料電池システム「HTWO」を発表済み。燃料電池自動車「Nexo」も韓国国内だけで1万台を販売し、燃料電池トラック「Exient」も欧州や中東市場に展開している。今後の注力市場は、韓国、欧州、米国、中国とし、2030年までに販売台数70万台を目指す。
同社は2019年12月には61.1兆ウォンの投資計画を表明していたが、今回は60.1兆ウォンと1兆ウォン(950億円)幅引き下げた。減少幅は既存事業分野への投資が多く、今回の発表では36兆ウォン。一方、EVと燃料電池は前回発表の10.4兆ウォンから14.9兆ウォンへと大幅に積み上げた。
現代自動車は12月9日には、韓国のLSエレクトリックとの提携も発表している。今回の提携では、現代自動車が持つ燃料電池技術と、LS産電が持つ発電技術を組み合わせ、燃料電池発電システムの開発と生産を共同で進める。発電所での実証を行った後に、2021年に上市するという。
【参照ページ】현대자동차, 4대 미래사업 전략 및 수정 <2025 전략> 공개
【参照ページ】현대자동차-LS일렉트릭, 수소연료전지 발전시스템 개발 협력
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