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【アジア】NIO、吉利、百度、鴻海、テスラ、EV市場の攻略加速。日本ではソニーがEV試作車両完成

 世界全体で急速にモビリティのカーボンニュートラルに向けた速度が加速する中、中国、インド、日本から新たなEV関連のニュースが複数発表された。

 中国電気自動車(EV)大手NIO(蔚来汽車)は1月9日、年次発表会「NIO Day 2020」を開催し、新型EVセダン車種とEVバッテリーの新製品を発表した。特に発表したバッテリーは、航続距離が世界最長級の1,000kmと表明し、市場からの大きな注目を集めた。容量は150kWh。

 発表したバッテリーは、従来型の液体電解質を用いたリチウムバッテリーではなく、固定電解質と液体電解質が混在する固液電解質を採用。将来技術として期待されている全固体電池までの中継ぎの技術となる模様。性能は従来型より50%改善し、導入開始は2022年第4四半期の予定している。今回発表された新車種「E7」は、同バッテリーを搭載するとともに、同社の自動運転技術「NAD」も搭載。価格は44.8万人民元(約720万円)。

 NIOは同日、E7にエヌビディアの自動運転用高性能チップ「NVIDIA Orin」を採用したスーパーコンピューター「Adam」を搭載することも発表した。NVIDIA Orinは、世界最高水準の性能を持つ自律走行車及びロボティクス用のプロセッサ。これをE7に4基搭載し、1秒間に業界最高の1,000兆回という演算能力(TOPS)を備えるという。

 NIOは、2020年8月、バッテリーをレンタル型にする「BaaS(Battery as a Service)」という新サービスを発表。E7のBaaS型の販売価格は、37.8万人民元(約608万円)。BaaSサービスでは、バッテリーが着脱できるようにしており、交換も可能。また性能が落ちたバッテリーを回収、リサイクルすることも容易になっている。

 まNIOは同日、同社の第2世代のEV充電ステーションも披露。バッテリーを24個収納するタイプで、1日に車両312台分の充電が可能。台の上に車が乗れば自動的に充電ケーブルが接続されるタイプのため、下車が不要。これにより、充電効率を上げた。

 一方、中国IT大手百度は1月10日、中国自動車大手の浙江吉利控股集団(Geely)と合弁会社を設立し、自動運転のEVを製造すると発表した。百度は早くから自動運転技術の開発を進めており、スウェーデンのボルボ・カーズを傘下に持ち、EV開発を進める浙江吉利との間で、強力なタッグが誕生する。ボルボカーズは1月7日、ベルギーのゲント工場でのEVの生産能力を3倍に増強し、工場全体の6割を占めるようにすると発表している。同社は、2025年までに、全生産車両の5割をEV、5割をプラグイン・ハイブリッド車(PHV)にする計画。

 浙江吉利控股集団は1月13日に、台湾の鴻海科技集団(フォックスコン)との間で、自動車の受託生産をするための合弁企業設立も発表している。特に、インダストリー4.0型の製造業オートメーションに力を入れ、プラットフォームでの車両生産を追求する。合弁会社は、OEM生産だけでなく、車両や部品の製造コンサルティングも行う。合弁会社の取締役は5人で、フォックスコンから取締役会議長を含めて3人、浙江吉利から2人という構成となる。

 中国では、財政部、工業情報化部、科学技術部、国家発展改革委員会が12月31日に、EVを含む新エネルギー車(NEV)の補助金を2021年から20%減額すると発表しており、補助金なしで市場普及に向けたギアを一段上げられている。但し、バスやタクシー等の公共交通機関向けや公用車、レンタカーのNEVは減額幅が10%と小さく設定された。また、競争力を高めるため、ゾンビ企業を市場から撤退させながらの業界再編させていく方針も示した。

 一方、EV世界大手米テスラは、1月12日に公表した届出資料の中で、インドのベンガルールに1月8日付で新会社「テスラ・モーターズ・インディア・アンド・エナジー」を設立したことを明らかにした。テスラは、念願のインド進出に乗り出すとみられている。

 インドから日本へは、総合エンジニアリング世界大手インドのテック・マヒンドラが1月7日、住友商事と折半合弁会社を設立し、日本で自動車エンジニアリング事業を開始すると発表した。新会社名は「SCTMエンジニアリング」で資本金2億円。テック・マヒンドラの開発エンジニアリングサービスを、住友商事の販売ネットワークを通じて営業していく。住友商事は、2020年8月にSCオートモーティブエンジニアリング(SCAE)を設立し、自動車エンジニアリング事業に参入している。

 日本企業では、ソニーが1月11日、CES2011のイベントの中で、独自開発したEV「VISION-S」の試作車両が2020年12月に完成し、オーストリアで公道走行テストを開始したと発表。EV開発の新事業が着実に進んでいることをアピールした。同社は2020年のCESで、「VISION-S」の試作車を披露していた。

【参照ページ】蔚来150kWh固态电池发布
【参照ページ】蔚来第二代换电站发布
【参照ページ】蔚来发布首款自动驾驶车型ET7
【参照ページ】Baidu Announces Plan to Establish an Intelligent EV Company and Forms Strategic Partnership with Geely
【参照ページ】Volvo Cars to triple electric production capacity in Ghent after strong year of electrified car sales
【参照ページ】Geely Holding Group and Foxconn Form Joint Venture Providing OEM and Customized Consulting Services to Global Automakers
【参照ページ】关于进一步完善新能源汽车推广应用财政补贴政策的通知
【参照ページ】テック・マヒンドラとの自動車エンジニアリング事業会社の設立について
【参照ページ】VISION-S 公道走行テストを開始

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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