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【国際】メルセデス・ベンツ、全面EV化の包括戦略発表。5.2兆円投資。関連企業との連携加速

 メルセデス・ベンツは7月22日、電気自動車(EV)への全面シフトに関する包括的な経営戦略を発表した。同社は2020年10月に全車種をEV化する戦略を表明。今回はそれに向けた具体的な施策を打ち出した形。

【参考】【ドイツ】メルセデス・ベンツ、全車種EV化。バッテリー生産も開始。巨大キャンパス建設へ(2021年3月28日)

 今回の発表では、同社は2022年までに全車種でEVモデルを導入します。2025年以降の新規発売車種では、事前発表の通り、車両アーキテクチャが同社の「EVアーキテクチャ(EVA)」のみとなる。そして、2031年までに新車販売を全てEVにする。そのための研究開発に400億ユーロ(約5.2兆円)を投ずる。

 アーキテクチャ戦略では、2025年に向け、中型車と大型車向けの「MB.EA」、高級車向けの「AMG.EA」、小型商用車やバン向けの「VAN.EA」の3つのアーキテクチャを準備する。開発体制では、垂直統合を進化させ、電気駆動技術のインハウス化を進める。その一環として、すでに英電気モーターYASAの買収も決定した。航続距離では、1,000km以上を誇る車種「VISION EQXX」の開発を進め、2022年に披露する予定。開発した技術は、EVアーキテクチャーにも応用される。

 EVバッテリーに関しては、既発表の9生産工場に加え、8つのギガファクトリーを世界大手と合弁で設立する予定。セル生産でも、欧州とのパートナーと提携し、モジュール開発を進める。同社は、自社のEVバッテリー需要が200GWh以上になると見積もっている。次世代EVバッテリーでは、中国シラ・ナノテクノロジーズ等の革新的技術を持つ企業と協働し、全固体電池でもパートナーとの協議を進めている。

 EV充電ステーションでは、同社はすでに世界各地に53万ヶ所の充電ステーションを展開。さらに、2025年までに欧州、中国、北米で3万ヶ所以上の充電ステーションを展開する計画を進めているロイヤル・ダッチ・シェルと協働し、充電ステーションのネットワーク化も強化。ロイヤル・ダッチ・シェルの充電スタンドのうち高速充電スタンドが1万個以上展開される。また、最高水準のステーション「プレミアム充電所」の建設も欧州で計画中。

 生産体制では、2022年にも、3大陸7拠点でEV8車種の量産体制に入る。工場での使用電力は2022年までにカーボンニュートラル(二酸化炭素ネット排出量ゼロ)を実現。ドイツGROBの支援を受け、生産の自動化も進める。さらに、ドイツのクッペンハイムで、EVバッテリーのリサイクル工場を新設し、2023年に操業開始の予定。

【参考】【国際】メルセデス・ベンツ、調達鉄鋼のCO2削減でH2GSに出資。グリーン・スチール調達(2021年5月28日)
【参考】【国際】メルセデスベンツ、サプライヤーに2039年カーボンニュートラル要求。契約で義務化(2020年12月26日)

 雇用転換では、大規模なリスキリング、早期退職、買収等で、従業員代表との協働を表明。社内研修期間「TechAcademies」を通じ、未来志向の資格取得のためのトレーニングの機会も提供する。すでに2020年には、ドイツ国内の従業員約2万人がeモビリティに関する講習を受講。さらにOS「MB.OS」の開発では、全世界でソフトウェアエンジニアを3,000人新規雇用する。

 今回のEV化戦略については、初期時点ではプラグイン・ハイブリッド車(PHV)も対象とする含みをもたせているものの、最終的には全面EV化を視野に入れていることを強調した。

【参照ページ】Mercedes-Benz prepares to go all-electric

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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