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【国際】世界経済フォーラム、共通目的データ・イニシアチブの成果第1弾発表。日本でのデータ取引市場設計も

 世界経済フォーラムの「共通目的データ・イニシアチブ(DCPI)」は8月4日、インドと日本で実施していたデータ取引市場を活用する2つの実証プログラムの第一段階を完了したと発表した。

 DCPIは2020年12月に発足。社会的便益のためにデータを活用することを推進しており、参加した10ヶ国政府と参加企業が連携し、データ活用のためのガバナンスの在り方を実証しながら追求している。参加国は、日本、インド、ブラジル、コロンビア、ノルウェー、サウジアラビア、南アフリカ、トルコ、アラブ首長国連邦(UAE)、ルワンダ。

【参考】【国際】WEF主導で日本等7ヶ国、アジャイル国家憲章に署名。顔認証監査制度、データ社会活用ルール検討も開始(2021年1月3日)

 DCPIのコンセプトは、データ保護と企業活動のインセンティブの間でバランスを調整してきた従来型の政策・規制モデルではなく、個人のプライバシー権を侵害することなく、合意した目的のためのデータへのアクセスを可能にするフレームワークを開発し、データ共有の実現に向けてガバナンスを整備するというもの。データの活用が複雑化している昨今、データの作成・提供時点で用途を見極めるのは不可能であり、目的を軸に異なる許諾ルールを与えるガバナンスを目指すしている。

 DCPIの参画企業は、マイクロソフト、IBM、セールスフォース、フェイスブック、ファーウェイ(華為科技)、クアルコム、VISA、ネットフリックス、マッキンゼー、アクセンチュア、デロイト、PwC。またDCPIには日本に設置されている第四次産業革命日本センター(C4IR Japan)も深く関与していることから、日立製作所、NEC、NTT、サントリーホールディングス、森ビル、三菱ケミカルホールディングス、SOMPOホールディングス、武田薬品工業、エーザイ、堀場製作所も参画している。

 過去1年間に実施された実証プロジェクトでは、政府主導のデータエコシステムで、データ駆動型経済への移行を促す方法に焦点を当てた。実証プログラムの世界としては今回、インドでの農業データ取引市場と、日本政府の包括的データ戦略が紹介された。

 インドのプロジェクトでは、世界経済フォーラム第四次産業革命インドセンター(C4IR India)が、インドのテランガナ州政府と連携し、官民のマルチステークホルダー・コミュニティと、インド政府系シンクタンクNiti Aayog(National Institution for Transforming India)と協働で実践された。プロジェクトでは、農業データを大規模農家向けに価値提供するデータ取引市場が検討され、機能的なデータ交換アーキテクチャ、ガバナンス・フレームワーク、インセンティブメカニズムに必要な構成要素に関する提言をまとめた。

 日本のプロジェクトでは、データ取引の実装が検討方法された。具体的には、証券取引所の仕組を参考に、データ取引プラットフォームを立ち上げる主体に左右されずにデータ取引市場を運営するためのモデルを開発した。特に、データ取引市場の運営事業者(DMSP)の役割と責任を設計。検討成果物は、日本政府が6月にIT戦略本部(高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部)で決定した「包括的データ戦略」にもインプットされた。

【参照ページ】<レポート発表>「共通目的データ・イニシアチブ(DCPI)」 インドと日本のデータ取引市場に関するケーススタディが示す可能性

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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