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【アメリカ】研究者ら、高度リサイクル可能な風力タービン素材開発。お菓子原料にも

 米ミシガン州立大学のジョン・ドーガン教授率いる研究チームは8月23日、高度にリサイクルできる風力発電ブレード素材を開発したと発表した。廃棄されたブレードから、新たなブレードを生産できるだけでなく、お菓子原料にも転換できる。

 風力発電ブレードは、従来、廃棄物が埋立処分される慣行があり、風力発電が普及するにつれ、廃棄物が増えるという構造を抱えていた。背景には、風力発電ブレードの強度を確保するため、素材としてプラスチックとガラス繊維の複合材を活用していることが大きな要因。分解することが難しく、経済的なリサイクルが困難だった。一部の素材に関しては、リサイクルするフローも構築されつつあるが、抜本的な変革が必要とされている。

【参考】【スウェーデン】バッテンフォール、風力発電ブレードの埋立廃棄を禁止。2030年までにリサイクル率100%(2021年10月18日)
【参考】【デンマーク】LMウィンド・パワー、2030年までに廃棄物ゼロの風力発電ブレードを開発(2021年11月27日)

 そこで、ドーガン教授らは、ガラス繊維、植物由来プラスチック、合成プラスチックから新たなタービン素材を開発。プラスチックは熱可塑性のため、廃棄ブレードを熱分解しモノマーに還元すると、ガラス繊維を取り除くことができ、再び再生プラスチックを生産することが可能。熱可塑性ながら強度と耐久性が高く、タービンや自動車部品としても十分に機能する。

 開発された素材は、用途が多様。同研究チームは、別の鉱物と混合させ、洗面台等の内装素材も生産できる。また、アルカリ溶液で分解すると、窓や車のテールライト等に使われるアクリル材料のポリメタクリル酸メチル(PMMA)を生成できた。さらに、アルカリ分解後に精製することで、飴やスポーツドリンクの原料となる乳酸カリウムの生成にも成功。食品用の乳酸カリウムから、食用のグミを作ることにも成功した。

 同研究チームは、開発した素材の物性を確認したことで、次に大型の風力発電ブレードを実際に製造し、実地試験に挑む。

【参照ページ】Wind turbine blades could someday be recycled into sweet treats

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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