金融世界大手JPモルガン・チェースは12月22日、鉄鋼、セメント、航空の3セクターでのカーボンフットプリント削減目標を発表した。同社は2021年に石油・ガス、電力、自動車の3セクターで目標を設定。対象を拡大した。
【参考】【国際】JPモルガン・チェース、石油ガス、電力、自動車向け2030年カーボンフットプリント目標設定(2021年5月15日)
同社は2021年10月、2050年までの投融資ポートフォリオのカーボンニュートラル(二酸化炭素ネット排出量ゼロ)にコミットする銀行のイニシアチブ「Net-Zero Banking Alliance(NZBA)」に加盟。NZBAのアンブレラ組織となる「ネットゼロのためのグラスゴー金融同盟(GFANZ)」のさらに上位団体となる国連の「Race to Zero」が6月、加盟機関への基準を引き上げたことで、JPモルガン・チェースがGFANZから脱退することを検討しているとの報道もあったが、GFANZがRace to Zeroへの準拠は、GFANZの各加盟機関の判断になるとの見解を示したことで、一旦状況は落ち着いている。
【参考】【国際】GFANZ、署名機関が550を突破。運営機関構成員も拡充。目標設定での強化図る(2022年11月1日)
同社は今回、NZBAの要求水準を満たすためには、同社だけではコントロールできない技術革新、消費者行動と需要の進化、政府政策が必要であり、公正な移行(ジャストトランジション)、エネルギー安全保障、短期目標の達成、法的・規制的義務の潜在的影響をも考慮し、NZBAや他の業界イニシアチブと連携しながらも、同社独自の意思決定をしていくと言及した。
今回の鉄鋼、セメント、航空の各セクターでの2030年目標設定では、国際エネルギー機関(IEA)の「NZE2050シナリオ」に準拠する形で設定したと説明した。具体的な目標は、鉄鋼は、スコープ1と2を対象に、2020年比で31%減。セメントは同29%減。航空はスコープ1を対象に2021年比で36%減。投資運用や融資だけでなく、コミットメントラインの設定、株や債券の引受もポートフォリオのカーボンフットプリントとして算出する。
(出所)JP Morgan Chase
先行して目標を設定している石油・ガス、電力、自動車の3セクターでも進捗状況を開示した。
(出所)JP Morgan Chase
【参照ページ】2022 CLIMATE REPORT
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