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【日本】GPIF、2023年度スチュワードシップ活動報告。協働イニシアチブ活用に課題

 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は3月30日、委託先運用会社のスチュワードシップ活動をまとめた「2022/2023年スチュワードシップ活動報告」を発表した。同報告は2017年に開始。GPIFは2020年2月に運用会社に義務付けるスチュワードシップ原則改訂している。

【参考】【日本】GPIF、運用会社に義務付けるスチュワードシップ原則改訂。エンゲージメントと運用の連携等(2020年2月10日)

 GPIFの委託先運用会社が2022年1月から12月に日本の上場企業に実施したエンゲージメントの総数は、6,000回以上。社数では946社と、上場企業全体の約4分の1となった。役員レベル以上の対話件数も120回を超えた。

 GPIFの委託先運用会社は、オルタナティブも含めてすでに全社が国連責任投資原則(PRI)に署名。気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)への賛同も、委託先運用会社の親会社での賛同も含め9割弱にまで上昇。未賛同の企業も現在検討中が多い。すでに85%がTCFD開示を実施済み。

 2022年度からは、債券運用でも委託先運用会社のスチュワードシップ評価を開始。債券投資家でのエンゲージメント手法の在るべき姿整理等は未整備な面も多いことから、現在は「組織・人材」内の一項目で、スチュワードシップ評価を実施している。

 ESG評価機関に対しては、金融庁が2022年12月に発表した「ESG評価・データ提供機関に係る行動規範」に言及し、賛同・受入状況を確認していく方針を示した。金融庁は、賛同・受入れの状況の一覧公表を2023年6月に、データ提供に関わる賛同・受入れの状況の一覧公表を2024年6月に予定している。

【参考】【日本】金融庁、ESG評価・データ提供機関に係る行動規範を公表。投資家と企業にも提言(2022年12月20日)

 日系の委託先運用会社に対する総評では、「課題はまだあるものの、全般的に形式面は整備されている。より実効性のあるものにするため、継続的な検討や見直し、改善のステージにある」とコメント。方針や体制面で進化がみられるとした。

 一方、協働イニシアチブに参加している運用会社が増えているが、活用状況には差があり、どう関与しているか確認したいとした。生物多様性や人権に協働イニシアチブの活用状況にも関心を示した。運用会社の親会社に株主提案が提起されるケースもあり、傘下の運用会社がどう対応するか課題として改善を求めていくとした。

 今後に向けては、2023年度から2024年度にかけ、スチュワードシップ活動やESGインテグレーションによるリスク調整後リターンの改善効果の検証を行うことも伝えた。

【参照ページ】2022/23年スチュワードシップ活動報告

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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