国連環境計画金融イニシアチブ(UNEP FI)のプラスチックに関する金融リーダーシップ・グループは5月19日、プラスチック汚染に関する国際的な法的拘束力のある文書を作成するための政府間交渉委員会の第2回会合(INC-2)に向け、同委員会の事務局に共同声明を提出した。
プラスチックに関する金融リーダーシップ・グループは、2023年1月の世界経済フォーラム(WEF)主宰ダボス会議の場で発足。INGが発足を提唱し、現在、アリアンツ、韓国のウリィ金融グループ、ドイツのProCredit Groupがコアグループを形成。全体で9.7兆米ドル(約1,300兆円)の金融機関が参画している。
第2回会合の開催では、4月にINC事務局がオプションペーパーを発表。プラスチック汚染を終わらせるために、あらゆる資金源を加速的に動員し、規模を拡大するための合意形成を支援することが重要と伝えていた。そのため今回、金融リーダーシップ・グループが、あらゆる資金源からの動員を実現するため、優先事項を特定した。
まず実現することとして、3つを挙げた。
- 明確で、測定可能で、期限を定めた包括的な目標
- 政府系及び民間の全ての資源を条約全体の目的の整合させるという狙いの設定
- 全ての資金フローを整合させることを可能にする義務的枠組みと環境を構築する中核的目的の設定
さらに実現に向けた方策を7つ挙げた。
- サステナブルファイナンスのタクソノミー、指標、目標の調和
- プラスチック関連リスクとインパクトを金融機関と企業に開示される義務開示フレームワーク
- プラスチック汚染の観点を金融規制な金融監督枠組みに導入
- 課題ポリシー、官民パートナーシップ、ブレンデッドファイナンス、デリスク・メカニズムを通じた民間投資の促進
- プラスチック汚染の撲滅と、気候変動や生物多様性でのソリューションの共通利益やシナジーの最適化
- 民間投資の役員と動員に関する政府向けキャパシティビルディングと、金融機関のプラスチック・バリューチェーンに関するキャパシティ・ビルディング
- あらゆる源からの資金フロー、プラスチック、プラスチックバリューチェーン、プラスチック汚染について明確な定義付け
INC-2は、5月29日から6月2日まで、仏パリ市の国連教育科学文化機関(UNESCO)本部で開催される。
機関投資家グループは5月3日にも、企業にプラスチック対策を強化するよう求める共同声明を発表している。
【参考】【国際】機関投資家185団体、使い捨てプラ削減を企業に要求。運用資産総額1300兆円(2023年5月12日)
【参照ページ】Finance Leadership Group on Plastics contributes to development of international instrument to end plastic pollution
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