国際民間航空機関(ICAO)は11月20日から24日、国連気候変動枠組条約第28回ドバイ締約国会議(COP28)に先駆け、ドバイで第3回ICAO航空・代替燃料会議(CAAF/3)を開催。ICAO加盟国は2030年までに国際線の二酸化炭素排出量を5%削減することで合意した。ICAOには現在、193ヵ国が加盟している。
ICAOは2022年10月、第41回総会で、2050年までに国際航空輸送のカーボンニュートラルを実現する長期アスピレーション目標(LTAG)を決議。それを踏まえ、今回の会合では、「持続可能な航空燃料(SAF)、低炭素航空燃料(LCAF)、その他の航空クリーンエネルギーに関するICAOグローバル・フレームワーク」を採択した。
【参考】【国際】ICAO加盟192ヶ国、国際航空の2050年カーボンニュートラル決議。画期的決定(2022年10月8日)
同フレームワークでは、2050年までに国際航空輸送のカーボンニュートラルを実現する長期アスピレーション目標(LTAG)の達成に向けては、複数のソリューションの選択肢があり、特に発展途上国では航空部門の持続的な発展と気候変動対策を両立させていく必要があるとの認識で一致。また、「政策と計画」「規制枠組み」「実施支援」「ファイナンス」の4要素が必要との認識でも一致した。
政策と計画では、クリーンエネルギー使用量ゼロをベースラインとし、2030年までに国際線での排出量を5%削減することを努力目標として掲げた。また2028年までに第4回会議を開催し、目標を見直すことも視野に入れた。達成に向けては、持続可能な航空燃料(SAF)、低炭素航空燃料(LCAF)、その他の航空クリーンエネルギーの生産と供給を世界中で拡大することを柱に据えた。
加えて、航空会社、空港事業者、航空機・エンジン製造会社、燃料製造会社等の関連企業に対しても、同目標の達成に向けた各自の行動を計画、開発、実施するよう奨励することでも合意した。
規制枠組みでは、持続可能な航空燃料(SAF)、低炭素航空燃料(LCAF)、その他の航空クリーンエネルギーの評価では、CORSIAのサステナビリティ基準、サステナビリティ認証、及び「CORSIA適格燃料」に使用されるライフサイクル排出量評価手法を採用していくことで合意。ASTM等の燃料標準化団体とも協力しSAF、LCAF、その他航空クリーンエネルギーの認証供給者数を拡大することでも一致した。
ICAOは、燃料供給会社が2050年までにクリーンな航空エネルギーの生産に最大3.2兆米ドル(約470兆円)を投資する必要があると見積もっている。実現に向けては、ブレンデッドファイナンスや官民パートナーシップ等を促していくとした。またICAOと加盟国は、民間資本市場や民間金融機関とのエンゲージメントを加速させていくとした。ICAOはファイナンス促進の仕組みとして「ICAO Finvest Hub」の創設に向けた準備も進めている。
【参照ページ】ICAO Conference delivers strong global framework to implement a clean energy transition for international aviation
Sustainable Japanの特長
Sustainable Japanは、サステナビリティ・ESGに関する
様々な情報収集を効率化できる専門メディアです。
- 時価総額上位100社の96%が登録済
- 業界第一人者が編集長
- 7記事/日程度追加、合計11,000以上の記事を読める
- 重要ニュースをウェビナーで分かりやすく解説※1
さらに詳しく ログインする※1:重要ニュース解説ウェビナー「SJダイジェスト」。詳細はこちら