国連食糧農業機関(FAO)は12月13日、欧州・中央アジア地域の食料安全保障と栄養に関する報告書を発表した。2012年の第65回世界保健総会(WHA)で承認された栄養目標である成人肥満、完全母乳育児、低出生体重児の3つの指標の進捗も評価した。
【参考】【アジア・オセアニア】FAO、食料安全保障と栄養で報告書。栄養不良人口3.7億人。5F危機(2024年1月5日)
同地域では、新型コロナウイルス・パンデミック、紛争、異常気象、自然災害等により食料安全保障と栄養の改善に対する難易度がましたが、2000年以降の栄養不良の人口割合は2.5%を下回った。食糧不安を高度もしくは中程度に抱える人数も、2022年には2021年比で4.1%(470万人)減少し、1.1億人となり、世界平均を大きく下回っている。
(出所)FAO
但し、食糧不安に直面する人口は、世界平均を下回っているものの、新型コロナウイルス・パンデミック以前よりは高い水準。深刻な食糧不安を抱える人口は、2019年の1.5%から2022年には2.8%に増加し、2,620万人。中程度以上の食糧不安を抱える人口も2019年の9.8%から、2022年には11.9%に増加し、1.1億人。男性の10.7%よりも女性の12.5%の方が高い結果となった。特に、中央アジア、バルカン半島西部、コーカサス地方では、状況がよくない。
(出所)FAO
同地域の5歳未満の過体重児童の割合は、2010年の9.7%から2022年の7.1%へと減少しているが、世界平均の5.6%を上回っている。一方で、発育阻害、消耗症等の割合は改善している。成人肥満の割合は2000年の18.2%から2016年には25.2%に増加し、世界平均の13.1%を大幅に上回った。
生後5ヶ月までの完全母乳育児の割合は、世界平均で2012年の37%から2021年には47.7%に増加した。全ての地域ごとの詳細なデータはないが、中央アジアでは29.2%から44.9%に、バルカン半島西部では20.7%から27%に増加する等の進展があったとした。
低出生体重児の割合は、世界平均は2020年時点で14.6%に対し、同地域では7.6%と半分程度であり、2000年から世界平均も同地域でも減少傾向にあると報告した。
【参照ページ】Despite multiple challenges, food insecurity is decreasing in Europe and Central Asia
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