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日本郵船、ジャパンエンジンコーポレーション、IHI子会社のIHI原動機、今治造船とジャパンマリンユナイテッドの合弁会社である日本シップヤードの4社は1月25日、世界初のアンモニア燃料アンモニア輸送船(AMFCG)を日本製エンジンを搭載して建造する一連の契約を締結したと発表した。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション基金事業に採択されている国プロ。
【参考】【日本】日本郵船、アンモニア燃料船開発を主導。2026年度の就航目指す。NEDOプロジェクト(2021年10月30日)
建造するのは、40000m3型アンモニア燃料アンモニア輸送船。引渡時期は2026年11月を予定している。造船所はジャパンマリンユナイテッド有明事業所。搭載エンジンは、主機がジャパンエンジンコーポレーション製のアンモニア燃料Dual Fuel(DF)2ストロークエンジン。補機が、IHI原動機製のアンモニア燃料Dual Fuel(DF)4ストロークエンジン。
アンモニア燃料DFエンジンは、パイロット燃料としての重油とアンモニアを混焼する。4社が参画しているコンソーシアムでは、主機で混焼率最大95%以上、補機で混焼率80%以上を目指してきた。さらに、アンモニアの燃焼時に発生する一酸化二窒素や有害化学物質の排出を抑制する船体設計も模索してきた。
同コンソーシアムでは、2023年5月にはIHI原動機が、AFMGCの補機として使用予定の4ストロークエンジン実機で、世界で初めて重油との混焼率80%での燃料アンモニアの安定燃焼に成功。一酸化二窒素や未燃アンモニアの排出をほぼゼロにし、運転中と停止後に実機からのアンモニア漏洩をゼロにすることにも成功した。同月には、ジャパンエンジンコーポレーションも、大型低速2ストロークエンジンでの混焼運転を開始し、エンジン性能の最適化、安全性の検証を実施している。
有害化学物質の安全性評価では、加えて、日本海事協会によるリスク評価、日本郵船の機関長・機関士を中心とするユーザー目線からのリスク評価・安全対策提言等を実施。本船仕様に反映させた。同知見は、日本海事協会がアンモニア燃料船の安全要件(ガイドライン)を公表。さらに、国土交通省を通じ、国際海事機関(IMO)へ提案している。
同コンソーシアムは、今後、火力発電での混焼用途や水素キャリアとしてアンモニアの需要が急増すると予測。AFMGCの建造に踏み切った。そのため、今後、国策として進められている石炭火力発電でのアンモニア混焼計画や海外からの水素輸入等が想定通りに進むかどうかが、事業リスクとなる。
【参照ページ】アンモニア燃料アンモニア輸送船の建造決定
【画像】日本郵船
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