
国連環境計画金融イニシアチブ(UNEP FI)と欧州銀行連盟(EBF)は1月26日、サステナブルファイナンスEUタクソノミーの銀行金融商品への適用可能性に関する評価レポートを発表した。特にローン商品に適用するメリットと課題を分析した。
【参考】【EU】EUタクソノミー規則、欧州議会を通過し成立。グリーンとトランジションの2種類設定(2020年6月22日)
今回のレポートは、大手銀行12社が活動資金を拠出。資金を拠出した12社は、BNPパリバ、ソシエテ・ジェネラル、UBS、クレディ・スイス、ING、ウニクレディト、スタンダードチャータード、ビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア銀行(BBVA)、ダンスケ銀行、SEB、FMO。
EUタクソノミー規則は、証券系商品に対し情報開示を義務化しているが、今回のレポートは、銀行の収益の大半を占めるリテール融資、コーポレートローン、中小企業向け融資、貿易金融、一般ファシリティ(コミットメントライン設定)に適用した場合のメリットや課題を分析した。
メリットについては、証券系商品等同様に、グリーンウォッシュの防止やESGマネジメントの強化を挙げた。一方で、ローンでの課題については、資金使途を特定しない大半の融資でのタクソノミーの扱い、データ不足、EUでの経済活動統計分類NACEとの分類の不一致、業務負荷等を挙げた。
また同レポートでは、自発的にローンへのEUタクソノミー適用を試みている26銀行と5つの銀行業界団体の事例も紹介。お互いのナレッジを共有し、業界全体での突破口を模索する内容となっている。
加えて提言も8つ提示。EUタクソノミーの内容を、EU加盟国国内の政策内容と整合させることや、グローバル規模に共通に展開していくこと、データ収集を容易にできるツールの支援、そもそもEUタクソノミーを適用しづらい金融商品があることの考慮等を挙げた。
UNEP FIとEBAは今後、今回のレポート内容を踏まえ、個別のガイドラインや手法の開発を進めていく。
【参照ページ】UNEP FI LAUNCHES NEW REPORT WHICH TESTS THE APPLICATION OF THE EU TAXONOMY TO CORE BANKING PRODUCTS WITH 26 MAJOR BANKS
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