ドイツ中央包装登録簿(ZSVR)は8月31日、包装リサイクル性の判断最低基準の2022年版を発行した。技術の進展に伴いリサイクル性が認められる素材が追加された。ZSVRは非営利財団。2019年に制定されたドイツ容器・包装法(VerpackG)に基づき、ドイツ連邦環境庁(UBA)との協議の上、リサイクル性の基準を定める準公的機関として役割を担っている。
今回の改訂では、ポリアミド(PA)のリサイクル性が再分類され、9月1日から、ポリエチレン(PE)とポリアミド(PA)の混合フィルム共押出構造はマテリアルリサイクルが可能と認定される。同素材を事業の柱の一つと掲げているBASFは9月1日に歓迎声明を出した。
ZSVRは、リサイクル性能の判断軸で、ケミカルリサイクルを含めない方針をとっており、ドイツの国内ではマテリアルリサイクル性が認定されるかが重要。一方、関連企業は、ドイツ政府に対し、ケミカルリサイクルのリサイクル性能を認めるべきとのロビー活動を大規模に展開している。
今回の改訂では、他に、紙等の繊維質素材包装についてもリサイクル性の証拠提供が義務化。プラスチックから紙等への転換が容器・包装で進む中、紙製でも液状やペースト状の内容物を含む容器・包装ではリサイクル性能の担保を求めた形。これにより、プラスチックと紙の複合素材や、紙単独の素材に関しても、リサイクル性の確保が求められるようになる。
ガラスのリサイクル性についても基準を厳格化した。瓶等で使われるガラス素材に関しては、もともとリサイクル性が高い。但し、金属製のネット等で覆う構造の瓶では、金属物質がガラスのリサイクル性能を減衰させてしまう。金属以外でも、籠等で覆ったワインサーブ用のボトル(デミジョンとも呼ばれる)も同様の扱いとなる。
内容物残渣がリサイクル性能を損ねることも基準に盛り込まれた。例えば、マニキュア、アスファルト、ワックス等の容器では、内容残渣がリサイクル上の問題となりやすい。そのため、リサイクル性の認定に関し、内容残渣の状況も考慮されるルールが導入された。
【参照ページ】ZSVR publishes new minimum standard – why fibre-based packaging and product residues are problematic for recycling
【参照ページ】BASF welcomes reclassification of recyclability of coextruded polyethylene/polyamide film structures
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