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【中国】アップル、WWFと協働して中国の100万エーカーの森林保護を発表

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 米アップルは5月10日、世界自然保護基金(以下、WWF)と協働して、木材の生産量、消費量ともに世界一の中国において森林100万エーカーを購入し、紙や木材の持続可能な調達に向けて森林を保護・管理する5年間のプロジェクトを実施すると発表した。中国では増え続ける紙需要に応えつつ、より少ない土地、水で紙を生産し、環境への負荷を削減する取り組みが徐々に広まりつつあるが、今回のアップルとWWFの提携により、中国における森林保護の動きはさらに加速することになりそうだ。

 今回の事例は、森林保護において環境NGOや企業が果たせる役割、可能性の大きさを示すものだ。WWFは再生紙および、保護、管理されている森林からの木材の使用を訴えており、「本当の意味で森林を守っていくには、企業は世界中の森林を対象に、毎年、使用する森林面積を計測し、保護していく必要がある」としている。Appleはそれを実践しており、様々な取り組みを通じて事業で使う紙やパッケージの原料となる木繊維を全て持続可能な方法で管理されている森林から調達しようと努力を重ねている。

 WWFの森林事業-米国支部のシニア・ディレクターを務めるKerry Cesareo氏は「このプロジェクトは中国における持続可能な林業を推進する今までにない機会だ。森林フットプリント削減に向けた環境面におけるリーダーシップの新たなモデルを示している」と述べた。

 今後、アップルおよびWWFは同プロジェクトを通じてFSC認証済の森林を増やしていくほか、植林にも取り組んでいく予定だ。WWFはLiving Forests Reportの中で、木材を使用した製品需要に応えるためには森林を全く減らすことなく2050年までに植林する土地を2倍にしなければならないと指摘している。

 また、アップルは森林保護のほかにも中国の電力会社らと協力して20メガワットの太陽光発電所を2つ建設し、中国61,000世帯分の電力に相当する再生可能エネルギーの生成にも取り組んでいく。同社は木繊維の調達による森林への影響をネット・ゼロにし、かつ世界中の全ての事業運営を100%再生可能エネルギーで賄うという目標を掲げており、今回の発表はその一環となる。アップルは2015年に入り中国のスマートフォン市場でトップシェアを獲得するなど、中国市場における存在感を高めている。今回のWWFとの取り組みや再生可能エネルギーへの投資は、今後の中国における事業展開を見据えたサステナビリティ戦略の一手と見ることもできる。今後の具体的な成果に期待したいところだ。

【参照リリース】WWF and Apple Commit to Help Protect China’s Forests
【参照リリース】Apple Announces New Environmental Initiatives in China
【団体サイト】WWF
【団体サイト】Apple
【参考サイト】WWF’s Living Forests Report

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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