アパレル小売大手のH&Mは1月15日、同社の製品に使用するダウンを100%、Responsible Down Standard(RDS)認証済にするという目標を達成したと発表した。
RDSは、生きた鳥からの羽毛採取や強制的な餌付けなど、動物に対する不当な扱いを行っていない農場からとれた羽毛であることを保証する国際認証基準だ。その他にも、餌付けや畜舎の環境、動物が畜舎の外に出られる環境にあるかなど、動物福祉に関する複数の厳格な要件が定められており、認証は全て第三者機関が行っている。
H&Mは、RDS認証済ダウンだけを使用することは、動物繊維の品質向上およびアパレル業界全体の動物福祉の向上という同社のポリシーの双方に合致するものだとしている。100%RDS認証のダウン製品は、2016年の秋・冬季から店頭に並ぶ予定だ。
H&Mのサステナビリティ・ビジネス・エキスパート、Madeleine Ericsson氏は「動物は人道的な扱いを受ける権利を持っており、我々はアパレル業界全体における動物福祉の改善を望んでいる。RDSは鳥たちの福祉を保護するものであり、我々の製品で使用するダウンを100%RDS認証とすることができたのは大変喜ばしいことだ」と語った。
RDSは、アパレル業界のサステナビリティ向上に取り組む国際NPOのTextile Exchangeと、認証機関のControl Union、アウトドアファッションブランド大手のノースフェイスによって策定され、現在は多くのアパレルブランドや寝具メーカーで採用されている。
H&Mが同発表を行う1週間前には、ノースフェイスも今年の秋の製品ラインナップ500以上に使用する綿毛全てを100%RDS認証にすると公表していた。(参考記事:【アメリカ】ザ・ノース・フェイス、今秋から500以上の製品で100%RDS認証の綿毛を使用へ)
世界の消費者はかつてない以上に、その製品が「何でできているか」だけではなく「どのように作られているか」についても気にかけるようになってきている。RDS認証の取り組みは、安定的な調達や品質の保証、動物福祉といった観点だけではなく、ブランドとしての消費者からの信頼獲得という意味でも重要性を増している。今後、同様の取り組みがさらに業界全体へと広がることが期待される。
【参考サイト】Responsible Down Standard
【参照リリース】100% ethically sourced down
【企業サイト】H&M
(※写真提供:JuliusKielaitis / Shutterstock.com)
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