【スウェーデン】イケアグループ、気候変動対策分野に30億ユーロを投資。年間純利益の約70%相当 2016/12/30 最新ニュース

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 家具世界大手イケアは12月5日、今年度のサステナビリティ報告書を発表し、パリ協定で掲げる国際的な目標の達成に向けた今後の戦略を発表した。

 イケアグループの2016年度(8月決算)の売上は342億ユーロ(約4.2兆円)、純利益は42億ユーロ(約5,200億円)。ユーロ換算で比較すると売上は前年比7.1%増と絶好調。イケアグループの主力市場は、ドイツ、米国、フランス、英国、スウェーデンだが、中国での売上が大きく増加。インドやセルビアでも1号店の開店を予定しており、各国でビジネスを拡大していく計画だ。

 このような事業環境の中、イケアは今回気候変動対策のために合計30億ユーロ(約3,700億円)を投資計画及び実績を発表した。すでに実施済みのものとしては、2009年以来太陽光発電と風力発電プロジェクトに15億ユーロを投資。さらに自社運営の再生可能エネルギー発電所建設に6億ユーロを投じた。同社は、現段階で71%まで向上させた事業運営エネルギーの再生可能エネルギーでの調達割合を2020年までに100%にすることを計画している。そして今回新たに10億ユーロを森林保全、リサイクル、再生可能ネルギー開発、生体材料(バイオマテリアル)開発に投資していくことを発表した。

 イケアグループは、低炭素型事業運営に向け、特に風力発電に着目している。同社が投資してきた風力発電設備容量は、米国で263MW、ポーランドで180MW、スウェーデンで132MWなど世界全体で778MW。2016年度の風力発電量は1,789GWhにも上る。また店舗などで太陽光発電パネルの敷設も進めているが太陽光発電量は127GWhと風力と比べ10分の1にも満たない。一方、熱エネルギーの再生可能エネルギー割合を高めることも進めており、発電量相当で1,271GWhをバイオマス熱、太陽熱、地熱などで調達し、熱エネルギーに占める再生可能エネルギー割合も63.1%まで上がってきている。それ以外でも、店舗の省エネ運営なども展開している。現在建設中のドイツ・カールスト市の店舗では、自然光を大量に採り入れる設計にし電力消費量を最小化させる。

 また、事業活動を通じた気候変動対策として、イケアグループは、2016年度中に店舗販売する照明器具を全てLEDにすることを実現。合計でLED電球8,000万個を販売した。販売されたLED電球によるエネルギー消費削減量は65万世帯の電力量に匹敵するという。

 これ以外でも、綿製品全てでサステナビリティ調達を実現、木材製品61%でサステナビリティ調達を実現、原油由来のポリエチレン製の包装を再生可能原料へ変更、LGBT等を含めた社員が自分らしく働ける職場づくり、従業員の年金口座に一律金額を加算するプログラム「Tack!」に1.08億ユーロを拠出など戦略目標を達成してきている。職場環境や風土の改善では、同社は独自の従業員向け調査「Voice Index」「Leadership Index」を運用しており、そのスコアを目標値を設定することでマネジメントしている。管理職の女性比率でも48%まで向上させた。

 廃棄物ゼロに向けた取組では、家具買い替え時に不要となった古い家具の引取制度を構築し、引取後の商品をリユース、リサイクル、慈善団体に寄付などを実施している。また製品寿命の長期化、リサイクルしやすい製品設計などにも着手している。 

【参照ページ】IKEA Group reports strong sustainability progress during critical year for climate action
【参照ページ】IKEA Group presents strong growth in FY16 with a continued focus on multichannel retail and long-term sustainability investments
【サステナビリティ報告書】Sustainability Report FY2016

株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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