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【日本】GPIF、日本株ESGインデックスを3つ選定。ESG総合型で2つ、社会テーマで1つ

 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は7月3日、日本株のESG投資インデックスを3つ選定したと発表した。採用されたのは、ESG要素全てを考慮に入れる総合型で「MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数」「FTSE Blossom Japan Index」の2つと、ESGのうち「S(社会)」テーマのみを考慮に入れる社会テーマ型で「MSCI日本株女性活躍指数(WIN)」の1つの合計3つ。「E(環境)」テーマ型指数については、目下継続審査中。

 MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数は、MSCIジャパンIMIのうち時価総額上位500銘柄をユニバースとし、MSCIのESGリサーチでの評価が高い銘柄を優先的に選抜した時価総額加重平均型インデックス。ESG評価の高い銘柄が、各業種の時価総額の50%を超えるまで選定している。2017年6月時点で251銘柄で構成されており、組入比率上位10社は、KDDI、三井住友フィナンシャルグループ、キーエンス、信越化学、NTTドコモ、花王、JR東日本、日立製作所、東京海上ホールディングス、パナソニック。

 FTSE Blossom Japan Indexは、FTSE JAPAN INDEXに選定されている約500銘柄をユニバースとし、国内外のESG要因への対応力が優れた企業のみで構成する時価総額加重平均型インデックス。FTSEは、有名なESGインデックス「FTSE4Goodシリーズ」を以前から提供しており、その中にも日本株を対象とした「FTSE4Good Japan Index」があったが、今回の「FTSE Blossom Japan Index」は、業種ウェイトを中立化した新たなインデックスとなっている。2017年6月時点で151銘柄で構成されており、組入比率上位10社は、トヨタ自動車、三菱UFJフィナンシャル・グループ、JR東日本、セブン&アイ・ホールディングス、三菱電機、ソニー、三井住友フィナンシャルグループ、三井物産、日本たばこ産業、小松製作所(執筆者注1)。

 MSCI日本株女性活躍指数(WIN)は、一つめのMSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数と同様、MSCIジャパンIMIのうち時価総額上位500銘柄をユニバースとし、各業種から性別多様性スコアが高い上位半数の銘柄を選定。構成比率は、時価総額加重平均ではなく、「時価総額×業種調整後性別多様性スコア×業種調整後クォリティ・スコア」という特殊な計算方式を用いている。2017年6月時点で212銘柄で構成されており、組入比率上位10社は、KDDI、アステラス製薬、ブリヂストン、NTTドコモ、キヤノン、ダイキン工業、HOYA、三菱UFJフィナンシャル・グループ、三菱電機、リクルートホールディングス。

 GPIFは、ESGインデックスの選定にあたって、(1)ESG評価の高い銘柄を選別する「ポジティブ・スクリーニング」、(2)公開情報をもとに企業のESGを評価し、その評価手法や評価結果も開示、(3)ESG評価会社及び指数会社のガバナンス体制・利益相反管理、の3点を重視したと説明。MSCIとFTSEともに、「ESG評価手法、評価結果の詳細な開示、評価結果の企業へのフィードバック、ESG指数を利用する投資家との対話を積極的に行い、その結果をESG評価の改善につなげる方針である」ことを評価。また、MSCI日本株女性活躍指数については、「情報開示を促進するインセンティブ付けがなされるような指数構築手法(開示が少ない企業についてはスコアが減算される仕組み)がとられている点を高く評価」したと背景を説明した。

 GPIFは、昨年7月から9月にかけてESGインデックスの公募を行い、国内外の指数会社、運用会社など計14社から27本の応募があった。その中から、ヒアリング、現地実査、GPIF運用委員会での議論を経て、今回の選定に至った。公募を行ったテーマのうち、「E(環境)」テーマ型指数については現在実施中の審査を経て改めて発表する。一方、「G(ガバナンス)」型テーマ指数については「該当なし」として選定を見送った。

(執筆者注1)記事掲載時に記事執筆側で誤りがあり同日修正。

【参照ページ】ESG指数を選定しました
【インデックス】MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数
【インデックス】FTSE Blossom Japan Index
【インデックス】MSCI日本株女性活躍指数(WIN)

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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