環境省は10月30日、発展途上国と協働してイノベーションを創出する「Co-innovation(コ・イノベーション)」をキーワードとし、日本のビジョンと具体的な取組をまとめた「日本の気候変動対策支援イニシアティブ2017」を発表した。同イニシアチブは、11月6日から開幕した気候変動枠組条約ボン会議(COP23)の中で国際社会に向け発信される。
環境省は、発展途上国のニーズと日本の企業や自治体が持つ技術やナレッジを突合させ、ソリューションを提供する具体的なプロジェクトの形成を支援していく。また、ニーズと提供できる技術・ナレッジを可視化することでマッチングを促進できるよう「コ・イノベーションのための透明性パートナーシップ(見える化パートナーシップ)」を設立していく。
ソリューション提供を活性化させたい分野は、
○適応のための具体的な取組
- 科学的知見に基づく適応策の構築
- 適応策の事業化
- NGO・企業による適応行動の促進
○緩和のための具体的な取組
- NDCの策定・実施・進捗管理に係る能力向上
- 低炭素技術のイノベーションと普及促進
- NGO・企業による緩和行動の促進
今後、見える化パートナーシップを具現化するため、来年度以降、まずはパートナーシップを締結した2ヶ国から3ヶ国の発展途上国を対象に他の資金提供者や国際機関等と連携したパイロットプロジェクトを組成していく。
その他の主要なイニシアチブの取組内容は、
- アジア・太平洋地域の発展途上国やアジア開発銀行(ADB)と協力し、同地域の気候リスクや適応策に関する情報基盤である「アジア太平洋適応情報プラットフォーム(AP-PLAT)」を構築。、国際適応センター(GCECA)とも連携しつつ、気候リスク情報のグローバルな基盤整備を支援
- 国際協力機構(JICA)や国際協力銀行(JBIC)等国内の支援機関や国際開発金融機関等と連携し、民間資金を動員
- JICAや国立環境研究所、NDCパートナーシップ等の国際的なイニシアティブと連携し、発展途上国の能力開発や組織体制の整備等の支援
- 水素等エネルギーキャリアの製造・輸送/貯蔵・利用、窒化ガリウム(GaN)等を用いた次世代パワーエレクトロニクス、二酸化炭素の回収・貯留(CCS)や有効利用(CCU)について研究開発、実証やモデル事業
- 二国間クレジット制度(JCM)を通じた低炭素技術の普及促進
- 日本気候リーダーズ・パートナーシップ(Japan-CLP)との協働や、官民連携によるREDD+(途上国の森林減少・劣化に由来する排出の削減等)の推進
【参照ページ】日本の気候変動対策支援イニシアティブ2017
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