全国銀行協会(全銀協)は3月15日、「行動憲章」を改定した。今回の改定は、国連持続可能な開発目標(SDGs)の課題に盛り込んだもの。環境課題、人権問題等の社会課題、ガバナンス強化に関する内容を加え、ESGの視点を強く意識した内容となっている。全銀協は、国内で活動する銀行、銀行持株会社および各地の銀行協会を会員とする組織で、メガバンク、地方銀行等が正会員、ネット銀行等も準会員となっている。
行動憲章にSDGsを取り込むアクションについては、日本経済団体連合会(経団連)も2017年11月に「企業行動憲章」改定を実施。日本証券業協会(日証協)も2017年9月に「証券業界におけるSDGsの推進に関する懇談会」を設置している。
今回の改定では、まず、行動憲章第1条「銀行の公共的使命」の解説第5項に、「持続可能な社会の実現に向けた責務」として、「国内外において持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けた取組みが進められており、環境問題、人権問題などの社会的課題への対応や、当該問題に取り組むうえでのガバナンス体制の構築を進めていくことが重要である」を新設した。
また、第7条「環境問題への取組み」の解説第2項に、「気候変動への適応を含めた地球温暖化対策」と、気候変動適応を追加した。人権問題では、第5条「人権の尊重」を新設し、「すべての人々の人権を尊重する」と定めた。第8条「社会参画と発展への貢献」では、解説第2項に「NPO・NGO、地域社会等との連携」を規定し、社会貢献活動に留まらず、課題に関心を持つステークホルダーと協働のうえ、社会に参画し、課題解決に貢献することが重要であることを明確化した。
その他、第2条「質の高い金融サービスの提供」では、解説の中でESGの考え方を踏まえた取組み、および取引先の経営に対する金融機関のサポートの重要性について追記。第9条「反社会的勢力との関係遮断、テロ等の脅威への対応」では、解説第4項に「テロ等の脅威への対応」を新設し、マネー・ローンダリング対策やテロ資金供与対策を強化していくと定めた。
全銀協は、今回の改定に当たり、主な取組事項も打ち出した。内容は研究や調査に関するものが多いが、環境、人権等に関する融資ポリシー策定に関する国内外の調査や、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言を受けた取組みに関する国内外銀行の調査を新たに行うと表明した。
【参照ページ】「行動憲章」の改定について
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