【中国】厳しさ増す中国での環境規制。日系企業も対応に苦慮し、罰金や操業停止を受けるケースも 2018/06/06 最新ニュース

 環境規制に本腰を挙げた中国政府を前に、中国に進出した企業が急速に変化する規制への対応に迫られている。政府の生態環境部(旧環境保護部)は違反者を直接取り締まる権限を付与されており、実際に環境基準を満たさない企業は、罰金、工場操業停止、工場閉鎖等の措置が下されている。2017年だけでも、政府から操業制限や操業停止の命令を受けた事例は8,000にも上る。中国の全工場の40%が一時的以上の閉鎖されたとの試算もある。

 中国での環境法には、「大気汚染防止法」「水汚染防止法」「固体廃棄物環境汚染防止法」「海洋環境保護法」「環境影響評価法」「環境騒音防止法」「クリーナープロダクション促進法」の7つの関連法が、2014年頃から大幅に強化された。また、それに伴い「大気十条」「水十条」「土十条」等の規則も導入されているが、全体像を把握できている企業担当者は多くはない。

 Nikkei Asia Reviewによると、日本の凸版印刷は2017年3月、上海のラップ用フイルム工場が大気汚染基準に満たないとして235万元(約4,000万円)の罰金を科され、部分的な工場操業停止に追い込まれた。その後、新たに数百万米ドルの設備投資を行い、2018年4月に完全操業に戻った。他にも、トヨタ自動車、旭化成、ダイキン工業、三井化学等の日系大企業も罰金や工場操業停止の措置を受けているという。

 ジェトロ・上海事務所が2017年12月の調査報告書によると、中国に進出した日系企業190社のうち、過去1年間で中国政府の始動を受けたと答えた企業が37%。55%の企業が自主的な環境規制対応をしたと回答し、多くの企業が環境規制の強化を受けて処理設備の増加等の対策を講じた様子が見て取れる。また、中国政府の環境規制に関する評価については、8割の企業が「規制は厳しい」と評価。そのうち4%は「規制が厳しすぎて事業の継続が困難である」と回答。また3%の企業が「一部ラインの移転を検討している」等と回答しており、環境規制の強化によって、企業は厳しい対応を迫られていると分析した。

 一昔前まで中国は、環境規制が緩いという認識が広がっていたが、実際現在は世界有数の厳しい環境基準が課せられてきている。Nikkei Asia Reviewは、このような厳しい中国での環境規制の実態を日系企業の日本本社が把握しておらず、現地に丸投げしている対応を問題として指摘している。

【参考ページ】China’s pollution controls catch foreign companies flat-footed
【レポート】2017年 進出日系企業に対する環境規制調査アンケート
【中国環境法】中国における環境規制と市場規模の最新動向調査

株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

Facebookコメント (0)

ページ上部へ戻る