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【日本】GPIF、環境型ESG株式インデックス選定発表。二酸化炭素排出量を考慮。運用額1.2兆円

 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は9月25日、日本株と外国株の環境型ESG投資インデックスを選定したと発表した。採用されたのは、日本株は「S&P/JPXカーボン・エフィシェント指数」、外国株は「S&Pグローバル大中型株カーボン・エフィシェント指数(除く日本)」。両インデックスとも、インデックス開発世界大手米S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスが開発したインデックスで、二酸化炭素排出量の気候変動対応にフォーカスしている。

【参考】【日本】GPIF、日本株ESGインデックスを3つ選定。ESG総合型で2つ、社会テーマで1つ(2017年7月3日)
【参考】【日本】GPIF、環境テーマ型ESGインデックス募集を改めて開始。日本株、外国株双方での運用目指す(2017年11月5日)

 今回の選定に際し、GPIFの高橋則広理事長理事長は、「様々な企業に炭素効率性の向上や情報開示に取り組んでいただく一つのきっかけになれば幸い」「従来のESG指数では評価対象となっていなかった比較的規模の小さい上場企業にも採用の機会が開かれて」いると表明。気候変動リスクへの対応を重視したと語った。

 S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスのカーボン・エフィシェント指数の特長は、同社が以前買収した環境情報データプロバイダーTrucostの二酸化炭素排出量データを活用し、同業種内で売上を分母とした原単位二酸化炭素排出量で企業を評価し、低い(炭素効率が高い)企業のポートフォリオ構成ウエイトを上げ、反対に高い(炭素効率が低い)企業のウエイトを下げるインデックス。

 Trucostのデータ収集は、企業のホームページや報告書での公開データを基にしているが、信頼性・網羅性の確認も行っており、不十分な開示や信憑性に欠ける開示は「非開示」とみなされる。また企業には日本の本社だけでなく、グローバルでのグループ全体の開示という視点が求められる。非開示とされた企業もTOPIX構成銘柄ウエイトに比べウエイトが下がる。GPIFは、今回のインデックスを「ポジティブスクリーニング型」と呼んでいるが、「ESGインテグレーション型」と呼んだほうが良さそうだ。


(出所)GPIF

 インデックスのユニバースは、日本株向けの「S&P/JPXカーボン・エフィシェント指数」はTOPIX構成銘柄(約2,103銘柄)。外国株向けの「S&Pグローバル大中型株カーボン・エフィシェント指数(除く日本)」はS&P Global Large Mid Index(約2,162銘柄)。


(出所)GPIF

 運用額は、GPIFの過去3つのESGインデックスでの運用額が2018年3月末時点で約1.5兆円なのに対し、環境型ESGインデックスで日本株と海外株あわせて1.2兆円。環境(E)型ESGインデックスでの運用額が、総合型や社会(S)型に比べても突出して高くなり、GPIFが気候変動対応からアルファをとろうとしている姿勢が伺える。

 海外の年金基金では、石炭採掘企業や石炭火力発電の割合が高い電力会社等をポートフォリオから除外する「ダイベストメント(投資引揚げ)」も採用され始めているが、今回GPIFは、資産運用額が大きいため幅広い銘柄に投資することが求められる「ユニバーサルオーナー」としては適せず、セクター内での相対評価が望ましいとする姿勢を、インデックス公募の中で明らかにしていた。

【参照ページ】グローバル環境株式指数を選定しました
【構成銘柄とウエイト】S&P/JPXカーボン・エフィシェント指数

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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