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【日本】生保協会、2018年度の加盟企業調査結果と提言発表。ESG投融資を大きく位置づけ

 生命保険協会は4月19日、投資家の立場から企業価値向上に向けた取り組みについて、2018年度の生命保険協会加盟企業に対するアンケート調査結果とそれを踏まえた提言を発表した。同調査は1974年度に開始し、過去には、自己株取得の促進や社外取締役拡充・総会分散開催等で一定の効果を挙げてきた。近年ではESG投融資も重要な調査対象にしている。

 2018年の調査では、同協会加盟41社のうち、ESGの「G」に対する対話に取り組んでいる企業は10社。「E」と「S」については大手企業を中心に6社だが、2019年度中に取組開始を検討している企業も合わせると10社となる。対話結果を投資判断プロセスへ取り込んでいるのは現在7社あった。ESG投融資方針の策定では、現在10社で、2019年度中に追加で1社。ESG投融資手法では、テーマ型投資が最多で11社。ESGインテグレーションが10社。生命保険協会に聞いたところ、現在はいずれも大手企業が中心だが、今後は中小の生保企業にもESG投融資手法の浸透を広げていきたい考え。

 また生保協会は、2017年度から中長期的な株式市場の活性化と持続可能な社会の実現に向け、集団的エンゲージメントを開始。2018年度は、「株主還元の充実」と「ESG情報の開示充実」をテーマに、各々48社と64社が集団的エンゲージメントに加わった。両テーマともに、対話先企業の3割から4割程度が、生保協会の要望を受け止め、前向きに検討すると回答したという。

 今回の調査を踏まえた提言では、ESG投融資分野で提言を5つ新設した。まず、投資先企業に対しESGの中期経営計画への組み込み。現状では、98%の企業が、経営にとってESG取組が重要だと認識する一方、中期経営計画に組み込む企業は約40%に留まり、CSR方針に組み込む企業が最も多い。生保協会としては、CSR方針ではなく中期経営計画の中にESGを位置づけていくことを求める考え。一方、投資家は「統合報告書」での開示を求めているため、企業にも統合報告書での開示を求めるとしたが、世界の潮流ではむしろ報告書からホームページ開示へという流れがあるため、むしろ投資家が統合報告書だけでなくホームページも読んでいく必要があるだろう。

 また、投資家に対する提言では、短期的なテーマだけでなく、ESG課題解決に向けた中長期視点での対話の推進を促した。また、投資家自身のESG投融資の持続的なレベルアップに向け、方針の策定や推進態勢の整備が必要だとした。

 政府への提言では、省庁横断的な政策の打ち出し、グリーンボンド等の発行促進に向けた市場での認知度向上や税制優遇等の支援策、気候変動関連の情報開示の理解促進に向けたベストプラクティスの共有等の政策的後押しの3つを今回新たに打ち出した。特に最後については企業と投資家の双方で、依然として気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)への認知が低く、政府の後押しを求めていく考え。

【参照ページ】生命保険会社の資産運用を通じた「株式市場の活性化」と「持続可能な社会の実現」に向けた取組について

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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