国際建設林業労働組合連盟(BWI)と全建総連は5月15日、2020年東京オリンピック・パラリンピックでの会場建設に携わる建設労働者の労働状況を批判する報告書「2020年東京オリンピックのダークサイド(The Dark Side of the Tokyo 2020 Summer Olympics)」を発表した。日本全体で建設労働者市場の需給が逼迫する中、建設労働者は過剰労働に苦しんでいると指摘した。
今回の報告書は、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(TOCOG)、東京都、日本スポーツ振興センター(JSC)の3者に送られた。建設労働者によると、現在、五輪会場の建設では、危険な労働や違法労働が蔓延しているという。すでに過労死で一人亡くなってもいる。
【参考】【日本】海外で関心高まる日本の労働慣行。2020東京五輪建設工事で23歳男性が過労死の疑い(2017年8月3日)
今回の報告書は、TOCOGが策定した「持続可能性に配慮した調達コード」への違反懸念時に申立ができる苦情処理メカニズムの不備も指摘した。東京五輪では、TOCOG、東京都、JSCの各々に苦情処理メカニズムが設置されており、複数窓口は混乱を生むと批判。さらに、東京都とJSCの制度は、英語が活用できず不適当とした。また、利用しやすいような制度設計にもなっていないという。さらに、労働組合から苦情処理メカニズムに申し立てても、労働者本人から申請されていないと却下された事案もあると非難した。
同報告書は、過酷労働になっている根本原因は、日本の建設労働の労働慣行が悪く、担い手が少ないためとした。現状、建設労働者の有効求人倍率は4.3倍だという。すなわち求職者1人に対し4.3件の求人がある状況。
【参照ページ】BWI Report demands active trade union role in Tokyo 2020 Olympics
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