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【英国】人権や貧困問題に、大手スーパーマーケットは過去1年どのように取り組んできたか

 国際NGOオックスファムは7月3日、英小売大手16社の人権対応分析結果を発表した。オックスファムは2018年に、貧困や人権の不平等の問題に取り組む一環として小売企業を対象としたキャンペーンを開始。今回の結果は、1年後の進捗結果とも言える。


(出所)Oxfam UK

 オックスファムの評価体系では、「透明性」「労働権」「農家」「女性」の4つの項目を設定。それぞれに対し高い基準を設定し、どこまで各社が到達できているかをチェックした。16社のうち、Lidl、Plus、ホールフーズ等8社は、1年前から何ら改善がないと糾弾。一方、セインズベリーとウォルマートは、多少改善の兆しがあったと評価。加えて、アルバート・ハイン、Aldi South、Jumbo、モリソンズ、REWE、テスコの6社も、サプライチェーン上での男女平等コミットメントを策定した進展も評価した。

 項目別では、8社が国連ビジネスと人権に関する指導原則(UNGP)へのコミットメントを発表しており、特にアルバート・ハインとJumboの2社は、1次サプライヤーリストの公表までも実施。サプライヤーの透明性が高い点を高く評価した。人権デューデリジェンスでは、アルバート・ハイン、Aldi South、Jumbo、テスコの4社が人権インパクト評価の実施にコミットもした点も特筆した。

 強制労働防止に関する労働権項目では、テスコ、セインズベリー、モリソンズが先を行っていると評価。労働搾取を防止する方針をとっている企業も約半数にのぼった。一方、農家と女性の人権保護では、課題が多いと断じた。
 
 オックスファムは、今後も引き続き、同キャンペーン対象の小売企業と継続的にエンゲージメントし、必要であればナレッジ共有・ガイダンス提供も実施していく。

【参照ページ】What are supermarkets doing to tackle human suffering in their supply chains?

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内藤 志穂

株式会社ニューラル サステナビリティ研究所 リサーチャー

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