世界経済フォーラム(WEF)は9月20日、医療サービスの普及イニシアチブ「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)2030」への支持を表明している機関の共同声明を発表した。企業が、質の高い医療と金融リスクの保護等の必要不可欠なサービスへの平等なアクセスを確保し、グローバルな医療ギャップを埋める方法を示した。
UHCとは、「すべての人が、適切な健康増進、予防、治療、機能回復に関するサービスを、支払い可能な費用で受けられる」こと。国連持続可能な開発目標(SDGs)のゴール3(健康と福祉)としても掲げられており、達成には「保健医療サービスが身近に提供されていること」、「保健医療サービスの利用にあたって費用が障壁とならないこと」の2つが必要とされる。またUHC2030は、世界的なマルチステークホルダーによるムーブメントで、同目標の2030年までの実現に向けた推進の加速を目指す。
UHC2030の民間セクター支持機関には、Accessible Quality Health Services(U-CARE)、アライド・ワールド・ヘルスケア、Amref Enterprises LimitedApollo Hospitals Enterprise、ベクトン・ディッキンソン、DITTA、 フラートン・ヘルスケア・コーポレーション、GEヘルスケア、German Health Alliance、グラクソ・スミスクライン(GSK)、世界セルフケア連盟(GSCF)ヘンリー・シャイン、国際医薬品製造業者連合会(IFPMA)、日本製薬工業協会(JPMA)、ジョンソン・エンド・ジョンソン、ケニア製薬産業協会(KAPI)、MEDx eHealthcenter、Mission&Co.、メルク・アンド・カンパニー(MSD)、ノバルティス、ノボノルディスク、Organisation of Pharmaceutical Producers of India(OPPI)、オットーボック、ファイザー、ケニア薬学会(PSK)、ロイヤルフィリップス、サノフィ、住友化学、武田薬品工業がいる。
今回の声明は、民間セクターがUHC達成に向けて重要な役割を担うことを認識した初めてのもの。5原則として、「誰ひとり取り残さない」「結果の透明性と説明責任」「科学的根拠に基づく国民医療戦略・リーダーシップ」「健康をみんなの関心事に」「国家間の相互学習による国際協調」を掲げた。
また、政府やその他のステークホルダーの役割として、企業が貢献できる様、環境を整えることの重要性を強調した。さらに、すべてのパートナーの構造化されたエンゲージメントの重要性、明確な国家健康戦略、証拠に基づいた政策目標、強固な規制や法制度、プライマリヘルスケアのための持続可能な公的資金調達、非国家主体との連携手順についても説明した。
同声明では、企業が果たせるUHCへの貢献として7つを挙げた。
- 貧しく疎外された人々を含むすべての人々のニーズを踏まえ、高品質の製品とサービスを提供し、これらを手頃な価格でアクセスしやすく持続可能なものにする
- 核となるビジネスモデルと目標にUHCの原則を組み込み、誰も置き去りにしない
- UHCの目標に沿った革新的なビジネスモデルを開発、テスト、拡大する
- イノベーションを創造し、適用し、促進する
- 地域の状況、優先事項、ニーズに対応し、医療従事者の強化を支援する
- UHCの資金調達の努力に貢献する
- 政府およびその他のステークホルダーに対してエンゲージメントを行い、関連する政策対話およびパートナーシップのための能力開発を行う
【参照ページ】New Statement Outlines Role of Private Sector in Achieving Universal Health Coverage
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