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【国際】S&P、航空業界の二酸化炭素排出削減に関する展望発表。カーボンオフセット義務化が信用リスクに

 信用格付世界大手S&Pグローバル・レーティングは11月21日、航空業界の気候変動対応に関する展望を発表。ジェット燃料の代替燃料化は比較的難易度が高い中、カーボンオフセット制度の義務化が、航空業界にとって大きな財務影響を与えるとの影響を及ぼすと表明した。

 航空業界の二酸化炭素排出量は、現時点では世界全体の2.5%とさほど多くはない。輸送業界全体の排出量もも電力業界の半分。しかし、持続可能な代替燃料や技術革新へのコストが高いため、航空業界が低炭素に向けたアクションに繋げるのは容易ではない。国連経済社会理事会の専門機関「国際民間航空機関(ICAO)」は、燃料効率は年間1から2%しか改善しないと予測した。そのため同レポートでは、他業界での排出量削減の進展に伴い、航空業界の排出割合は今後高まっていくと見立てている。

 航空業界での化炭素排出量の国別割合は、米国24%、EU19%、中国13%と上位3地域で半数を超える。欧州では飛行機に乗ることを恥とする「Flight Shaming」キャンペーンが起こる等、社会的な圧力も高まっている。その他にも航空業界290社を代表する国際航空運送協会(IATA)は、二酸化炭素排出量削減のグローバル目標に合意。国際線のカーボンオフセット義務制度「CORSIA」を制定した。

【参考】【国際】IATA、国際線のオフセット義務制度CORSIA導入を各国政府に要請。CO2削減の市場メカニズム

 このような社会的な圧力や環境規制は、航空企業には逆風となる。燃料は最大級のコストでボラティリティも高いため、燃料に対するカーボンプライシング制度導入は、航空企業にとって大きなリスク。小さな航空会社やLCCでは、信用リスクや格付けにも影響が懸念される。

 欧州の航空企業は、自主的なカーボンオフセットや、ステークホルダーとのコミュニケーションを開始している。特にカーボンオフセットは航空企業が二酸化炭素ネット排出量を削減する際にも最も効率的な手法。昨今ではイージージェットが、全フライトでの二酸化炭素排出オフセットを実現したと発表した。

【参考】【イギリス】イージージェット、全フライトでカーボンオフセット達成。世界初カーボンニュートラル航空

【参照ページ】European Airlines Prepare For Take-Off On Climate Change

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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