国際環境NGOの世界資源研究所(WRI)は2月27日、世界初となる購入電力での取水量および水消費量を算出する包括的ガイダンスをまとめたワーキングペーパーを発表した。従来、購入電力については二酸化炭素排出量算出では、WRIとWBCSDが開発した「GHGプロトコル」が存在していたが、購入電力からの水消費量算出については、包括的な算出ルールが存在していなかった。
今回のガイダンスでは、水消費量の多い水力発電だけでなく、火力発電、原子力発電、再生可能エネルギーも対象。各々の電源について、主要国でのkWh当たりの取水量と水消費量を計算した。企業は、算出された係数を基に、購入電力からの取水量と水消費量を算出できる。同ガイダンスは、インフラ・コンサルティング企業WSPとの共同開発。企業、NGO、政府、学者からも意見を募った。
発電は世界最大の取水要因の1つ。米国等の一部地域では、発電での取水量が国内最大の取水要因となっている。世界では今後、気候変動等により水リスクが高まるとされており、発電では水リスクマネジメントも重要となる。電力需要にとっても、購入している電力の水リスクを算出することで、将来のリスクマネジメントを強化できる。
【参照ページ】GUIDANCE FOR CALCULATING WATER USE EMBEDDED IN PURCHASED ELECTRICITY
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