米環境NGOは4月7日、チョコレート世界大手の社会・環境課題への対応を評価・格付けした2020年版評価を公表した。日本企業では森永製菓と不二製油の2社が対象となった。
今回の格付を発表したのは、マイティー・アース、Green America、Be Slavery FreeのNGO3団体が発表した「イースター・スコアカード」。評価対象は、アルテルエコ、ウィッタカーズ、トニーズ・チョコロンリー、Chocolats Halba、ヴァローナ、リンツ、フェレロ、マース、ネスレ、ハーシーズ、モンデリーズ、ゴディバ、森永製菓の13社。カカオ・サプライヤーでは、セモイ、カーギル、オーラム、バリーカレボー、Touton、ECOM、Sucden、不二製油の8社。
評価は、「義務的デューデリジェンス」「透明性およびトレーサビリティ」「森林破壊および気候変動」「アグロフォレストリー」「最低限の生活ができるだけの賃金に関する方針」「児童労働」の7つの観点で審査された。評価は2018年から毎年発行している。
評価結果では、名誉ある「Golden Egg Award」は、オランダのトニーズ・チョコロンリーが受賞。チョコレート業界で倫理的ビジネスモデルの実現に向け、サプライヤーの業務改善支援を行っていると判断され、全評価カテゴリーで「高い」を得た。その他、アルテルエコ、ウィッタカーズ、トニーズ・チョコロンリー、Chocolats Halba、ヴァローナ、リンツも、3段階評価で一番上の「良い」だった。
一方、不名誉な賞「Rotten Egg Award」はベルギーのゴディバが受賞。その他、森永製菓とSucdenも3段階で一番下の「悪い」。不二製油は、真ん中の「遅れている」だった。
テュレーン大学の研究では、カカオ農家で働く子どもは210万人おり、96%は危険な労働に従事しているという。上流工程のチョコレート企業が、毎年数十億の売上を生む中、カカオ農家は、極度の貧困の中で生活していることも課題視されているとした。また近年、国際環境NGOの世界資源研究所(WRI)の調査によると、カカオの主要生産国のガーナやコートジボワールで、森林破壊が増加していることが判明。直接サプライヤーについては、課題解決に向けた進展が見られるものの、間接サプライヤーについては依然懸念があるとし、迅速な対応を訴えた。
【参照ページ】World’s Largest Chocolate Companies Rated on Efforts to End Environmental and Labor Abuses
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