韓国で4月15日、総選挙が実施され、文在寅大統領を擁立する与党の「共に民主党」と、比例政党である「共に市民党」が合わせて180議席を獲得。総議席数300のうち6割を占める与党圧勝となった。共に民主党は3月16日、「グリーン・ニューディール公約」を打ち出しており、今回与党が圧勝したことで同政策が実現する見込みとなった。
韓国では、公職選挙法で、小選挙区で多数を占める政党が比例代表区では不利になると見られたことから、与野党ともに比例政党には別の政党を創設して立候補する形となった。そのため共に民主党と共に市民等は、実質的に同一政党。選挙では、野党の未来統合党と関連比例政党の未来自由党が103議席だった。
与党の「グリーン・ニューディール公約」は、気候変動政策を前面に推し出した内容になっている。まず、2050年までに二酸化炭素ネット排出量をゼロ(カーボンニュートラル)にする「グリーン・ニューディール基本法」を制定し、中長期の実現ロードマップを策定する。石炭火力発電へのファイナンスは停止し、再生可能エネルギー100%での事業を実現する「RE100」等を促進する。また、カーボンプライシング(炭素価格)制度も導入し、今後詳細内容を詰める。大気汚染物質となるPM濃度も現行の年平均23㎍/m3から2040年までに先進国並みの10㎍/m3に低減する。
また、水素戦略も大きな柱を構成する。余剰電力を水素気体に変えて貯める「Power to gas」システムを推進。そのための技術開発を全面的に進める。自動車産業では、水素を燃料とする燃料電池(FCV)車の開発を進める。
エネルギー転換に関する社会移行では、再生可能エネルギー分野への職種転換が必要な労働者の研修を行う地域エネルギー転換センターを創設する。
文在寅大統領は2030年までに再生可能エネルギー比率を20%にまで高めたい考え。全羅北道の干潟セマングムで巨大な浮体式太陽光発電を30.8GW設置し、再生可能エネルギー9%引き上げることに取り組んでいる。ソウル市内でも、屋根上太陽光発電を1GW設置する計画を検討している。
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