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【イギリス】「企業は自発的な情報開示を積極化すべき」国連グローバル・コンパクトのディベート報告書

 国連グローバル・コンパクト(UNGC)は4月21日、英国のグローバル・コンパクト・ネットワークUKが企業のESG情報開示の賛否について実施したディベートの結果をまとめた報告書を発表した。

 ESGに関する企業の情報開示については、情報開示が望ましいという一般的な見解はあるものの、情報開示によってネガティブな情報を出すことにはリスクがあるとする意見も依然として存在している。グローバル・コンパクト・ネットワークUKは今回、2019年11月に発表された「企業人権ベンチマーク(CHRB)」を題材に問題を提起。同評価では、企業の情報開示が少ないことで、低く格付された企業が多数ある中、情報開示を積極的にすべきか否かについて、あえて賛成グループと反対グループを設定し、ディベートを実施した。

【参考】【国際】2019年「企業人権ベンチマーク(CHRB)」発表。首位アディダス。日本企業18社対象、評価低い(2019年11月18日)

 反対グループからは、企業の顧問弁護士の立場から、クライアント保護が第一義である中、法的に義務付けられていない情報を開示する必要はないと主張。開示する情報については、企業の経営陣には法的責任が求められ、メリットがないとした。開示を自発的に行うことで正しく公平に報いられる状況であればよいが、現状の社会はそうなっておらず、全企業が一律に開示をしていない状況で、文脈をなしに数値データだけが抜き出されると、情報の歪曲や誤認のリスクもあると慎重な姿勢を打ち出した。この立場からは「レベル・プレイング・フィールド(対等な競争条件)」の観点が強調された。

 一方、賛成グループからは、ESG情報を開示することは、顧客、従業員、規制当局、社会、投資家からの信頼が得られ、競争優位性の源泉となると論を展開。さらに規制で開示を義務付けてしまうと、形式的な開示の風潮を招くことになるとし、企業自身が重要だと位置づける情報を開示することのほうが重要と指摘した。規制はいずれ強化される方向にあるため、先手を打って情報開示することで、投資家のニーズにも答え、採用力も強化でき、顧客からのブランド・ロイヤリティもあげられるとメリットを伝えた。

 ディベートでは、最終的に陪審員による、どちらが優勢だったかを判定。結果、賛成グループが圧勝だっという。グローバル・コンパクト・ネットワークUKのレポートでは、企業は自発的な情報開示をさらに進めていくべきという見解で締め括った。

【参照ページ】Debating Disclosure: The Pros and Cons of Corporate Transparency

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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