国連環境計画金融イニシアチブ(UNEP FI)とオリバー・ワイマンは9月24日、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)ガイドラインに基づき、気候変動の移行リスクが与える事業融資ポートフォリオへの影響をシナリオ分析するツール「Transition Check」をリリースした。UNEP FIのTCFDパイロット・プロジェクトが開発主体となった。
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同ツールは、国際応用システム分析研究所(IIASA)とポツダム気候影響研究研究所(PIK)が開発した気候変動シナリオに基づき、移行リスクがもたらす銀行の融資ポートフォリオ影響を測定・可視化することができる。シナリオでは、気温では1.5℃や2℃等の設定が、また移行速度についても、標準シナリオや急速移行シナリオなどが用意されている。また、気候変動に関する金融リスクを検討するための中央銀行・金融当局ネットワーク「気候変動リスクに係る金融当局ネットワーク(NGFS)」が参照したシナリオ等も搭載しているため、当局向けの報告にも使いやすくした。
影響を測定できる項目には、各セクター、セグメント、信用格付グレード、融資先毎の「期待損失」「デフォルト率(PD)」「デフォルト時損失率(LGD)」の3つが分析できる。またグラフ表示も可能なため、ツール内での視認性も高い。
同ツールは、UNEP FIの署名機関であれば無料で活用できる。
【参照ページ】UNEP FI and Oliver Wyman launch ‘Transition Check’, a web-tool that takes a scenario-based approach for assessing transition risk.
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