高級アパレル世界大手仏LVMHモエ ヘネシー・ルイヴィトン傘下のフェンディは11月11日、サステナビリティに関する新たなコミットメントを発表。「環境」「サプライチェーン」「コミュニティ」の3分野を主軸とする。
LVMHは、2012年に環境イニシアチブとして「LIFE」を始動。2016年に4つの具体的な2020年目標を設定した。目標の内容は、全製品ラインナップでの環境負荷削減、サプライヤーの70%に厳しい環境・社会基準要件を設定、二酸化炭素排出量を25%削減、店舗や事業所での環境効率を10%向上。
フェンディも、グループ企業として、2020年目標の達成に向けてアクションを起こしてきたが、今回新たに3分野についてサステナビリティを高めていくことをコミットした。
まず、環境面では、素材の変革に取り組む。毛皮は禁止まではしないが、サステナビリティ調達基準をBSRと共同で策定し、トレーサビリティも確保する。皮革では、LVMHグループ全体の動物素材調達原則を遵守し、クロコダイルの皮革では、調達基準についてNSF Internationalから認定を受けた。また、金属やクロムを一切使わない皮なめし法を開発している。
コットンでは、すでにベター・コットン・イニシアチブ(BCI)に加盟しており、すでに調達綿花の全量がBCI認証品となっている。ポリエステルは、Textile Exchangeが策定した「グローバル・リサイクル基準(GRS)」の認定素材への切り替えを、シルクでも「グローバル・オーガニック・テキスタイル・スタンダード」認定品への切り替えを進めている。同様にビスコースや紙等の木質素材でもFSC認証やPFSC認証を取得する。店舗のショーウインドウには、さとうきび由来の素材と革の端材を用いた再生素材を採用した。
サプライチェーンでは、素材調達から店舗販売に至るまで、サプライチェーン全体の完全な透明性の確保を促進。サプライチェーンを通じた環境や人権面でのマイナスのインパクト減らしていく。
コミュニティでは、若い世代の才能を育む同社職業訓練機関ローマのマッソーリアカデミーや、プログラム「Institut des Métiers d’Excellence(IME)」を通じた独自ノウハウの継承に取り組む。職人技術の尊重が環境責任の基本的な要素であるとし、イタリアの職人にバゲットバッグを工芸作品への変容させるプロジェクト「ハンド・イン・ハンド」も実施する。他にも、既存在庫のシャンデリア37個を、職人芸により新たなシャンデリア17個に作り替え、ローマ、ロンドン、ニューヨーク、パリ等の旗艦店に設置する。
【参照ページ】Fendi strengthens commitment to environmental and social responsibility
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