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【ドイツ】BASF、サーキュラーエコノミー事業で2030年売上2.1兆円目標。ケミカルリサイクル等

 化学世界大手独BASFは12月10日、サーキュラーエコノミーを加速させる事業戦略「サーキュラー・エコノミー・プログラム」を発表した。サーキュラーエコノミーでの売上を2030年までに現在の2倍の170億ユーロ(約2.1兆円)にまで伸ばす。

 BASFは今回の目標達成のために、ケミカルリサイクルで原油代替物を生産する「フィードストック」、新たな資源サイクルの構築、新たなビジネスモデルの3つを中核アクションと位置づけた。2025年までにリサイクルでの再生素材の生産量を年間25万tにまで拡大し、原油消費量からの転換を図る。

 リサイクルでは特にバッテリーとプラスチックのリサイクルを掲げた。バッテリーでは、回収して破砕した後に、化学反応を通じて、リチウム、コバルト、ニッケル等の資源を抽出。これにより資源採掘によるバージン資源と比較し、二酸化炭素排出量を25%以上削減できる。但し、現状の技術では、大量の熱エネルギーを必要とし、副生物として廃棄される塩も大量排出することから、新たな化学プロセスを開発。資源回収の効率も上げる。EUは12月10日にバッテリーのリサイクルを義務化する法案を発表しているが、BASFはこれらを支持するとした。

【参考】【EU】欧州委、バッテリーのサーキュラー化法案発表。2024年CFP測定、2030年再生素材利用を義務化(2020年12月12日)

 プラスチックのリサイクルでは、品質が劣化し、また分別が必要なマテリアルリサイクルではなく、ケミカルリサイクルを強化すると言明。プラスチック廃棄物を熱分解して石油化学プラントに投入できる熱分解油を生成する。2018年にはフィードストック型の再生素材「ChemCycling」を発表。現在も、熱分解工程の改善や技術開発を実施。特に、異なる種類のプラスチックを効率よく処理できる触媒の開発を、スーパーコンピューターも導入しながら、ノルウェーQuantafuelとともに進めている。

 また、マテリアルリサイクルでの品質劣化に対応する添加物の開発も注力事業として挙げた。マテリアルリサイクルでは、特に複数のプラスチック素材で構成する複合素材のリサイクルでの劣化も大きな課題だが、添加物を利用することで劣化を抑える技術も模索する。
 
 4つ目には、これまで廃棄されてきた有機物から高品質の化粧品材料を生産するプログラム「ランブータン」等での植物由来のバイオ素材を挙げた。プログラム名の由来は、同社の研究者が、ランブータンの葉に含まれる成分から高品質のスキン化粧品の原材料が抽出できることを見出した事に由来している。BASFでは、果実だけでなく、木、葉、樹皮、根、種等も研究対象として、バイオ素材の研究を進めている。

 原材料生産では、環境と社会の観点からサステナビリティ調達を徹底することも表明した。実際にランブータンの葉を調達しているベトナムでは、現地農家の所得は向上し、健康保険加入や労働条件の改善にもつながったという。またランブータン農園ではオーガニック認証も取得している。

【参照ページ】Batteries, plastics, renewable raw materials: new ideas for the circular economy

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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